タイトル争い決着の口火を切る初日、バニャイアが9番手、クアルタラロは8番手でスタート。総合トップはマリーニ/MotoGP第20戦バレンシアGP

 11月4日、MotoGPの2022年シーズン最終戦となる第20戦バレンシアGPのフリー走行1回目、2回目がスペインのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、ルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が初日を総合トップで終えた。

 ランキングトップでバレンシアGPを迎えたフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は総合9番手、23ポイント差のランキング2番手のファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は総合8番手でバレンシアGPの週末をスタートしている。

 最終戦バレンシアGPには、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が復帰。中上はアラゴンGP決勝レースの転倒で負傷した左手の小指を、日本GP後に手術し、このためにタイGP以降の3戦を欠場していた。

 フリー走行1回目は気温19度、路面温度36度のドライコンディションで始まった。快晴ではあるが日陰に入ると肌寒く、冷たい風が吹く状況だ。セッション開始15分時点で、トップはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)。チャンピオン獲得の可能性を残すクアルタラロは3番手、クアルタラロに23ポイント差をつけてランキングトップでバレンシアに乗り込んだバニャイアは17番手につける。

 トップをキープしていたマルク・マルケスだが、開始23分に2コーナーで転倒を喫する。マルク・マルケスは木曜日の囲み取材の中で、初日はバレンシアGP後のテストに向けても取り組むと語っており、テールカウルにウイングをつけたマシンで走行中だった。

 セッション終盤の残り時間13分、2番手に順位を上げていたクアルタラロが1分31秒399を記録してトップに浮上する。一方、バニャイアはタイムを更新したがトップから0.64秒差の13番手である。

 その後、クアルタラロのタイムを更新するライダーはおらず、クアルタラロがトップで最終戦バレンシアGPの最初のセッションを終えた。2番手は中盤に転倒を喫したマルク・マルケス。3番手には最後のラップで大きくタイムを更新したブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が入っている。

 4番手はジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)、5番手はアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)。バニャイアはトップ10圏外の17番手で、トップのクアルタラロから0.6秒差。バレンシアGPが怪我からの復帰戦となる中上は、23番手だった。

 フリー走行2回目は、気温25度、路面温度36度のドライコンディション。暖かさを感じる気温ではあるが、風は強い。このセッションではクアルタラロが序盤からトップに立ち、バニャイアは10番手以下という状況だった。

 クアルタラロはしばらくトップをキープ。その後、マリーニがクアルタラロのタイムを0.039秒上回ってトップに浮上した。バニャイアは上位に食い込むことができずにいたが、このころには7番手につけている。

 残り時間5分を切るとタイムの更新が激しくなっていった。だがその中でもマリーニが1分30秒217を記録して再びトップ。その後も2番手以下は何度もタイムが更新されるも、マリーニはトップを維持する。マリーニはそのままフリー走行2回目をトップで終えた。

 2番手はホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)、3番手はミラー、4番手はマルク・マルケスで、5番手はエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)だった。

 クアルタラロは8番手、バニャイアは9番手で、タイトルを争うふたりが近い位置で初日を終えている。中上は22番手だった。

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