<高校サッカー>あす準決勝 勢い乗る埼玉栄が昌平に挑戦 「35年ぶり」浦和学院か「初」の成徳大深谷か

ワンチャンスを生かす決定力が光る埼玉栄の沖中(左)、準々決勝までの2試合で2ゴール2アシストを記録する昌平の篠田(右)

 サッカーの第101回全国高校選手権埼玉大会(埼玉新聞社など後援)第6日は6日、埼玉スタジアムで準決勝を行い、昌平―埼玉栄(11時5分)、浦和学院―成徳大深谷(13時35分)が顔を合わせる。13日にNACK5スタジアムで実施される決勝の進出を懸けて熱戦が予想される両カードの見どころを探った。

■昌平―埼玉栄

 2年ぶりの優勝を狙う第1シード昌平に、前回王者の西武台を下すなど、1回戦から勝ち上がってきた埼玉栄が挑戦する。準々決勝の立教新座戦で一本もシュートを許さなかった昌平に対して、埼玉栄は失点を覚悟の上、果敢に攻撃を仕掛けて得点を奪いたい。

 埼玉栄が決勝に駒を進めるには、攻撃陣の出来が鍵を握りそうだ。沖中、樋口を起点にしたサイド攻撃でペナルティーエリア内に侵入し、ゴールに迫る得意の形を80分間の中で、アグレッシブに続けることができるか。守りの時間が長くなることが予想されるが、準々決勝の細田学園戦のように、GK安達を中心に粘り強く守り、好機を見いだしたい。

 ポゼッションサッカーで試合の主導権を握る昌平は、足元の技術だけではなく、一度持ったら簡単にボールを失わないフィジカルの強さを併せ持つなど、県内随一の攻撃力を誇る。全国高校総体で得点王に輝いた篠田が、これまで2ゴール2アシストを記録し、サイドの荒井、長とともに2列目から多彩な攻撃でゴールネットを揺らす。

■浦和学院―成徳大深谷

 35年ぶりの決勝進出を目指す浦和学院と、創部初の4強越えを狙う第2シード成徳大深谷が顔を合わせる。

 ともにS1リーグに所属し、5月の試合では2―1で浦和学院が勝利。ロングボールから縦に早い攻撃が持ち味の成徳大深谷と、中央でパスをつなげて相手DFの隙を突く浦和学院はタイプが違うだけに、強みを出し切れた方にサッカーの神様は振り向きそうだ。

 成徳大深谷は、フィジカルの強い秋本、平井の2年生2トップにキープ力があり、ボールを失っても和光、安野、松田ら中盤の選手がセカンドボールを回収して2次攻撃につなげる。好セーブを連発するGK木村を中心に安定した守りは、素早いプレスで攻撃の芽を摘む。

 浦和学院は、正智深谷や武蔵越生を下して勢いに乗る。ボール保持率を高めつつ、空中戦に強い上田と、背後に抜け出す動きで突破する石川のFW2枚を起点に攻撃の時間をつくる。野呂、平瀬のダブルボランチと伊藤らDF陣が守備ブロックを形成し、安易に決定機を与えない。

力強いフィジカルでボールをキープする成徳大深谷の秋本(左)、裏に抜け出す動きで敵陣に攻める浦和学院の石川(右)

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