温泉にも入れる人工乳房広めたい 乳がん患者に【自由】を!3人の女性の思い 両側乳がんになりました 170 

『人工乳房をつけたときに女性の表情が明るくなる』

こう話すのは、鈴木万紀子さん。

鈴木さんはボランティア活動などで出会った、秋沢京子さん、北堀善美さんと3人で人工乳房を販売する会社を立ち上げました。

名前は『カノアクルー』(自由な仲間たち・・・ハワイ語)

女性たちに自分らしい人生を送るためのサポートをしたいと2019年に起業。新潟の人工乳房メーカーとのご縁からセミオーダーの人工乳房『ルアナブレスト』を販売しています。

リアルな重さ、驚くほどの乳房の再現度がよろこばれているといいます。

肌の色やトップの位置や形は人それぞれ・・・。

東京・三鷹市にあるサロンで実際に試着。写真撮影をして、その方の肌の色に合わせた着色をして完成させてからのお渡し。装着式なので取り外しは簡単で専用の装着剤で温泉にも入ることができます。

病気などが理由で乳房を失った女性たちに、その楽しみをその生活を我慢しなくていい生活を送ってもらいたい。
これをきっかけに前向きな気持ちになれるようお手伝いできればといいます。

再建手術という選択肢もありますが、装着式の乳房を望む方はもっと多いのではと感じている、というカノアクルーのみなさん。

大阪のイベントにも出店、そのニーズがあると実感したとか。

日本には装着式の人工乳房を作るメーカーは10社ほどありますが、まだ必要な方に届いていないではないかと私も感じます。

『温泉・ジムに行きたいけれど人の目が気になる』

『人に気遣いさせるのでは』

『孫とお風呂に入りづらい』

『暑い時期でも胸元があいた服が着られない』

『左右きれいなシルエットが出ない』

『身体のバランスの悪さによる腰痛・肩こりがひどい』

『摘出した方のブラジャーが上がってきてしまう』

などのお悩みは患者さんならひとつは感じたことがあるのではないでしょうか。

主に接客をされている秋沢さんが感じていることがあります。

『摘出したら元気に見えて、深刻ではないと思われる。

普段、人には言えないけれど、見られないけれど、それぞれの事情や胸の問題に向き合われていると思うのです。

胸にこだわっているのを知られると恥ずかしいわとおっしゃる方もおられる。

でも手術直後の方もいますが、20年後の方もいらっしゃるのです。

それだけお胸への思いはり患された方にはあると思うのです。

再建を躊躇されている方もご自分の目で人工乳房を見たら、出来上がったお胸を見たら明るくなるのです。ああ、よかったな、と思うのです。』

セミオーダーですが、試着してみると、あう方が多いといいます。

全摘だけではなく、温存の方でも試着すると綺麗にあうといいます。
柔らかさにこだわってつくられた人工乳房。

色がつくとその立体感もあいまって『つけたときの表情がパッと明るくなる』と話します。

秋沢さん『乳がんにり患されたあとの情報はクローズで広がっていないように思うのです。自分だけで頑張っている人が多いので、ここで少しでもお話をしてもらいたい。そして見た目で少しでもそのサポートをしたい。人工乳房もその選択肢のひとつとして知ってもらえればと思います。』

鈴木さん『海外での再建はドイツなどでは盛んで、日本はまだまだだと感じます。乳がんになったその後の生活をよりよく生きるために、できることをもっと表に出していきたい』と話します。

まずは知ってもらうコト。

パンフレットなども作り、フェムテックの展示会などにも出展、広げる活動もしています。

やはり、まだ高価な人工乳房。北海道では音更町など自治体での購入時の補助も少しづつ広がってきています。

手術後の選択肢の一つとして・・・

乳がん手術後の女性の心にカノア(自由)を届ける取り組みにこれからも注目です。

★カノアクルー
https://kanoacrew.co.jp/

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