県北の魅力「森の芸術祭」で発信 奈義で現代美術家トークイベント

トークイベントで作品を紹介するINOMATAさん

 2024年秋に岡山県北12市町村で展開するアートプロジェクト「森の芸術祭 晴れの国・岡山」に参加する現代美術家AKI(アキ) INOMATA(イノマタ)さん(39)のトークイベントが5日、奈義町現代美術館(岡山県奈義町豊沢)で開かれた。芸術祭への第一歩となる企画として1日から町内で制作している作品や本番への意気込みを語った。

 INOMATAさんが手掛けるのは、那岐山麓山の駅(同町高円)から見た2日間の空の様子をインスタレーション(空間芸術)で表現する「昨日の空を思い出す」。INOMATAさんは、透明な液体が入ったコップに白い液を注入して“昨日の雲”と見立て、“今日の空”をバックに配置して一つの作品にまとめる工程を説明し「一度に見ることができない景色をつくりだしたい」と紹介した。

 地域文化アドバイザーとして芸術祭をサポートする同美術館の岸本和明館長(59)、同美術館開設に深く関わった岡山市の私設美術館「S―HOUSEミュージアム」の花房香館長(71)との鼎談(ていだん)もあった。岸本館長らが「県北にとって重要な転換期になる」と本番への期待を伝えると、INOMATAさんは「各地域の自然や人に触れ、県北全体の魅力を発信していく」と抱負を述べた。

 トークイベントは町内外の約30人が聴講。INOMATAさんは写真共有アプリ・インスタグラムで制作を公開しており、8日まで取り組むという。

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