2万円分ポイントゲットへ!登録締め切り迫る「マイナンバーカード」 “行政サービスDX化”へ国の思惑とは

行政手続きはマイナンバーカードに一本化

「基本的に行政手続きはマイナンバーカードだけでできるように(DX化を)進めていく」

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河野太郎デジタル相が今年8月、国民に向けて発信したメッセージです。現時点で国民の半数以上、約56%が取得申請を終えた「マイナンバーカード」。先日、国は2024年の秋ごろをめどに現在の保険証を廃止し、マイナンバーカードに統合すると発表しました。同カードは今後、自動車運転免許証やお薬手帳、母子健康手帳との統合も計画され、「行政サービスのDX化」の要となっています。

国は2023年3月末までに、ほぼすべての国民に同カードを普及させる「大きな」目標を掲げています。これを達成するためにキャッシュレス決済で使えるポイント「マイナポイント」の付与事業を進めています。現在は約1兆4千億円の予算(税金)を元に、第2弾を展開中で、12月末までにカードを申請すると、最大で一人2万円分のポイントを得ることができます。カードの申請期限は2022年12月末、ポイントの申し込み期限は2023年2月末。2万円分のポイントを得るためには、今年中にカードを申請する必要があります。 申請に年齢制限はなく、子どものカードも申請し、ポイントを受け取ることが可能です。

最大1人2万円分のポイントが得られる「マイナポイント」

カード普及で効率的な支援を実施

2万円分のポイントをもらうためのステップは三つです。

①カード取得

②健康保険証としての利用申込み

③給付金など公金受取口座の登録です。

カードの取得で5000ポイント、②③のステップでそれぞれ7500円分がもらえるので合計2万円分のポイントになります。すでにカードを取得し5000円分のポイントをもらっている人も②③をすればポイント付与の対象になります。

総務省の目的は「マイナンバーカードの普及促進」、ポイント付与による「消費の活性化」、国内のキャッシュレス化を推進する「官民キャッシュレス決済基盤の構築」の三つです。

コロナ禍対策として実施した国のコロナ給付金や自治体のプレミアム商品券事業などでは、商品券の配布や支払業務などが「アナログ的」に行われたため、事務経費がかさみ、本来、経済振興に回るべき予算を担当職員の人件費が食いつぶしたり、事業者への支払いが迅速に行なわれなかったりする事態も発生しました。

総務省はマイナンバーカードが普及すれば、国や自治体の事業の「オンライン化」により、給付金の入金などが迅速かつ効率的になるとしています。

預金などの個人情報の扱いを心配する声もありますが、利用者が指定した口座とのみ“ひも付け”られるので、万が一の被害も限定的です。これを機会に金利が高く、電子マネーとの連携が容易なネット銀行で新しく口座を開設し、公金受取口座として登録すれば、紙の通帳の廃止など電子化が進む金融サービスに対応するきっかけにもなります。

行政の電子化メリット体感を

東日本大震災の際、多くの人が「お薬手帳」を紛失しました。避難所では、持病を抱えた多くの高齢者がこれまでの治療経緯、自分の服用している薬の種類や量が分からないことから適切な投薬を受けられず、病気が悪化する事態となりました。保険証とお薬手帳が連動し電子化すると、たとえカードを失くしても簡単な手続きで自分の医療情報を知ることができます。

今回の最大2万円のポイント付与は、こうした行政の電子化のメリットを国民に体感してもらうほか、物価高や円安で冷え込む景気を刺激したいという意図があります。先日、寺田稔総務相は自治体に対して、企業などへの出張申請などに「一層積極的に」取り組んでほしいと強く要請。これから年末にかけてさまざまな方法や場所でカードの申請ができるようになりそうです。

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