前職生かし「子ども守るシステム」開発 熊谷のこども園、元エンジニアの事務長 登園バス置き去り受け導入

園バス後方に取り付けた「置き去り防止システム」を指す岡野事務長

 昨年7月に続き、今年9月にも幼い園児が登園バスの中に取り残され死亡した事件を受け、埼玉県熊谷市宮本町の幼保連携型認定こども園「荒川こども園」(新井深雪園長)は、「置き去り防止システム」を開発し、園所有の大型と小型バス2台に導入している。

 同園は登園後の打刻による人数確認、降車チェック、消毒・清掃、駐車後の確認など幾重にも厳重なチェック体制を取っていたが、事件報道後、心配する保護者の声に対応。大手電機メーカー「ソニー」のエンジニアだった同園事務長の岡野祐太さん(38)が独自のシステムを開発した。

 同園によると、車内最後尾に「メッシュ」と呼ばれるボタンを取り付け、園事務所内の自動点灯ランプと連動。バス駐車後に運転手がボタンを押さないと、ランプが点灯し、職員が確認する仕組み。

 岡野さんは、「起きてはいけないことが起き、保護者や子どもたちの心も不安定になる。そんな心のケアにもつながればと思った」と話した。

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