日本精工元社長・故今里廣記氏の収集品展示 波佐見ミュージアム

故北村西望氏の彫刻などが並ぶ「波佐見の偉人 今里廣記展」=波佐見町、波佐見ミュージアム

 長崎県東彼波佐見町出身の実業家、故今里廣記氏(1907~85年)が収集した美術品の展覧会が、同町湯無田郷の同町歴史文化交流館「波佐見ミュージアム」で開かれている。来年1月30日まで(火曜休館)、入場無料。
 今里氏の生家は同町の今里酒造。旧制大村中卒業後、家業を手伝い、25歳で独立した。戦後、ベアリング大手の日本精工社長として同社を再建し、経団連などの要職を歴任。波佐見町の中学校建設などに貢献し、78年、名誉町民となった。
 「波佐見の偉人 今里廣記展」と題した展覧会は、次女の康子氏が同館に寄贈した約50点を展示。今里氏の胸像(同町宿郷)を手がけた本県出身の彫刻家、故北村西望氏の作品をはじめ、碑文を書いた作家の井上靖の直筆原稿など多彩な文化人の作品がそろう。
 今里氏は東京の古代オリエント博物館の設立にも尽力。海外の石像のほか勲章やメダル類も並ぶ。波佐見ミュージアムの盛山隆行学芸員は「今里氏の幅広い交友関係や、歴史や文化への深い愛情がうかがえる」と話した。

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