横浜・南区制80周年「第九」で祝おう 「みなみ合唱団」が来年披露 「心に染みる音楽を」

木村さん(左)の指揮で練習に励む合唱団のメンバー=横浜市南区

 区制80周年を祝って「第九」を歌おう-。横浜市南区を拠点に活動する「横浜みなみ合唱団」が今年結成され、来年迎える同区の節目に歌声を披露しようと練習に励んでいる。第九を歌った経験があるメンバーは多くないが、「うまい、下手よりも、心に染みる音楽を奏でたい」と意気込んでいる。

 日本で第九と呼ばれ、年末の風物詩として親しまれているドイツの作曲家・ベートーベンの交響曲第9番「合唱」。第4楽章で登場する「歓喜の歌」のメロディーが有名で、プロ、アマチュアを問わず演奏される機会が多い。

 横浜みなみ合唱団を率いるのは、団長兼指揮者を務める木村茂雄さん(80)。同区ではこれまでに第九を歌う機会がなく、ちょうど来年に控える区制80周年に合わせて演奏会を開こうと、木村さんら同区で合唱に携わる関係者が構想し、今年2月に合唱団を設立した。

 木村さんは、中学校で音楽の教諭を務めるなどし、定年後には同区で合唱団を立ち上げて活動してきた。「笑いが出てくるような雰囲気をつくらないと声は出てこない」と考え、月2回の練習ではメンバーがリラックスして楽しみながら取り組めるように指揮棒を振る。

 合唱愛好家を中心に構成する合唱団が今回歌うのはドイツ語ではなく、作詞家のなかにし礼さんが訳した日本語の歌詞だ。メンバーのうち、第九を歌った経験があるのは2割ほどというが、木村さんは上達の早さを実感している。二つのメロディーが複雑に重なり合う「二重フーガ」と呼ばれる難関の克服に励んでおり、「課題も残っているがクリアできそう。先が見えてきた」と笑顔を見せる。

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