スターダム1期生で現在のスターダムのアイコン岩谷麻優選手。昨年は5★STAR GPで優勝。今年4月にはニューヨークで行われた新日本プロレスのマジソン・スクエア・ガーデン(MSG)大会にも出場。膝の怪我から復帰した現在の心境と共に、これまでのプロレス人生とプライベート等幅広くインタビューしました。
◆2年の引きこもりからレスラーになったきっかけ◆
ーー2年の引きこもりからプロレスラーになったとのことですが最初にプロレスを観た時の印象は?
岩谷「最初にプロレスを観た時はテレビだったんですよ。自分、山口県に住んでてテレビ西日本で2カ月に1回ドラゴンゲートの試合が流れるみたいな感じだったのでそのテレビを観て、プロレスおもしろーって思って。展開が選手たちのスピードが速すぎて本当に目で終えないみたいな、そのワクワク感があって、選手も格好いいですし、技もすごいし、試合も面白いしっていうので見始めたって感じですかね。そこから情報が少ないので携帯でチェックして、好きな選手ができてきたり、お兄ちゃんがドラゴンゲートの試合を観戦しに行くってなった時に『麻優も行く?』って聞かれて、そこで行くことになり最前列で観たんですよ。」
ーー1番最初の生観戦が最前列ってスゴイですね
岩谷「最前列なんですよ!一番はじっこだったんですけど最前列の、選手が間を通ってくるんですよ。でもう『ヤバい!いい匂いするし格好いいし!』ってなって(笑)もうその時は本当にファンの気持ちで。」
ーー筋肉フェチだったりするんですか?
岩谷「当初は筋肉フェチでしたね。今は別にそこまで筋肉フェチっていうほどでないんですけど。その頃はもう未知なる体っていうか自分の周りにはヒョロヒョロっていうか、あんな体系の方いらっしゃらないので。『すごーーい』って全部が感動して。『あの選手ココナッツのにおいがしたー』とか。」
ーープロレスラーあるあるですね
岩谷「そういうのでハマって。風香さんのコラムにドラゴンゲートの選手もコラムをやっていたんですよ。それ(ドラゲーのコラム)目的で登録していたんですけど、風香さんの一番最新のコラムを見た時に『選手を募集してまーす』みたいな感じのが載っていて。『あぁこれだ』って思って。」
ーー引きこもっていた人がいきなりプロレスってギャップがありすぎるなと思いますね。もともと小さい時から静から動に動くというかふり幅の大きい人なんですか?
岩谷「ふり幅が大きいというか、衝動的なことが多いですね。」
ーー衝動に駆られてなんかやっちゃうっていうような
岩谷「テレビ欲しいなって思ったら、『我慢できない、その日に買いに行くー』みたいな。」
ーー何型ですか?
岩谷「えー何型?(部屋にあったテレビを指して)これよりデカい…」
ーーいや血液型で(笑)
岩谷「(笑)テレビの型だと思ったじゃーん。知らないよーって思って。41?エーって思って(笑)A型です。」
ーーA型?A型なんですね
岩谷「いやでもCよりのAです。」
ーーCってどんなんでしたっけ?(笑) A、Bの次にあるような形に近いという…
岩谷「そうそうそう。」
ーーちょっと不思議な感じの血液型という
岩谷「そうです。」
ーーそういうところは昔からあったんですね?
岩谷「そうです。衝動で動きます。思ったらすぐ行動みたいな感じですね。」
ーースイッチの着火が早いんですね
岩谷「早いと思います。」
ーーでも運動とか昔はどうだったんですか?
岩谷「柔道6年間と、陸上3年間と、テニスちょっと趣味でやってたのと、ぐらいですね。」
ーー柔道6年もやられてたんですか?
岩谷「やってたんですよ。でもこれ誰にも信じてもらえないんですよ。」
ーーうん、びっくり
岩谷「(笑)」
ーー何歳から何歳までやってたんですか?
岩谷「小学校1年生から6年まで。」
ーー柔道を。全然みえません
岩谷「でも6年間やっていたのにオレンジ帯だったんですよ(笑)」
※柔道での少年部の級位でいうとオレンジ帯は4級で白帯の2つ上
ーー(笑)柔道殺法ってほとんど出さないですよね
岩谷「だから信じてもらえないくらいできないっていう。」
ーーでもまあ投げ技なんかにも過去の柔道のエッセンスがあるのかもわからないですね
岩谷「そうですね。受け身とか(笑)」
ーーじゃあ格闘技の要素は少しなりともあって、そこからのプロレスっていう部分では点から線になってる部分はあるんですかね
岩谷「あるんですかね。ほんとにちょっとした点ですけど(笑)」
ーープロレスの練習をいざやってみてどうでした?
岩谷「きつかったですね。最初にランニングをしてたんですよ。練習する前にランニングをするんですけど、そのランニングの輪から1人だけ離脱して、でもみんなが次の準備体操とか回転運動とかやってる間に、自分はゆっくり道場に戻っていってみたいな。でもそこで過呼吸になったりして。すぐ唇真っ青になって。風香さんがその度に『休んでて』って言って。練習は全然ついていけなかったですね。」
ーー基礎体力がひきこもり期間でゴッソリ落ちちゃったというそんな感じ?
岩谷「なくしましたね。プロレスラーになりたいって思って風香さんに連絡して上京するまでに1度やってみて『あーこれ無理だー。行ったら考えよう』って1日で根をあげて。」
ーーでもそんな人がよくこれだけ残ったのが凄いですね
岩谷「そうですねー。」
ーー今やスターダムを背負うアイコンと呼ばれる存在にまでなってるわけですから
岩谷「はい。」
ーーそれを支えてきた原動力というか、芯みたいなものはなんなんですか?
岩谷「自分は家出した人なので。親から反対されて、無理やりっていうか親にも内緒で家族の誰にも言わずに荷物まとめて…」
ーーあー本当の家出みたいですね
岩谷「本当の家出ですね。」
ーー凄い
岩谷「で、東京に出てきてから『東京にいる』ってお母さんに連絡した位なので。やっぱりそう簡単に辞めて家に帰れないっていう…親を説得する時にも『何やっても続かないんだから絶対無理だよ』みたいに言われてたので、ここで諦めてたまるかと。」
ーーそれは凄いですね。親にも言わずにそのまま東京出てきて怖くなかったですか?
岩谷「あー不思議と同級生とか就職先とか大学に行くとか進路を決めている最中の時期だったので、このままひきこもっても何もないし、プロレスラーにっていう…」
ーー夢の方が勝った?
岩谷「この先何もすることなくてこのまま引きこもるよりは、プロレスラーとして行動に移した方がいいかなって思って。怖さとかはなかったですね。」
ーー夢がありますよね。そういう自分であっても今や団体のアイコンになったというのは。同じような境遇にいる人たちへのメッセージにもなると思います
岩谷「結構ファンの方でもそういう方が多いので。引きこもってますとか。そういうお手紙とか、勇気づけられてますとか、そういうのを聞くと『あぁやってて良かったな』と思います。」
ーーそういう時から今に至るまで何が一番自分の支えになったでしょうか?
岩谷「支えっていうか、失うものがないんで。」
ーーもう何もない状態で出てきているから
岩谷「はい。支えというよりも、もうこれしかないと。」
ーーそれは同じような立場の人には心強いですね。いずれどっかで一緒にセミナーをやりませんか(笑)
岩谷「機会があればよろしくお願いします(笑)」
◆スターダムのアイコンと呼ばれるまでの成長と苦労◆
ーースターダムのアイコンと呼ばれるまでに苦労したことは?
岩谷「プレッシャーに弱くて。苦労って思ったら、すぐ逃げてました。」
ーーそうですか(笑) では苦労と思わないメンタル力は?
岩谷「すぐ逃げちゃうんですよ。岩谷逃亡事件みたいなものは今まで何度もありましたし、辞める辞める詐欺っていうのもしてましたし、なんか苦労を感じたら逃げてました。」
ーーそれがある意味息抜きみたいな形になって、また復活するまでのやる気につながっていく?
岩谷「はい、ちょっと休めばやる気につながる(笑)」
ーーこれはちょっと休んでどこのスイッチが入るとやる気に繋がるんですか?
岩谷「きっかけは誰かが迎えに来てくれることですかね。」
ーー麻優ちゃんそろそろ仕事した方がいいよって(笑)
岩谷「いわゆるその同期とか。めっちゃ遠いところに住んでたんですよ。一人暮らしで。同期とか先輩とかが車で来て『生きてんのかー』みたいな、生存を確認したりだとか。それで事務所に強制送還されたりとか。で、事務所暮らしになったりとか。」
ーーなるほど。そういう周りに支えられたのは大きいんですね
岩谷「そうですね。周りの人に恵まれているので。自分独りだったら心折れたまんまズーンってなってるけど、周りが優しく接してくれたから『居場所だな』って思わせてくれるような言葉を毎回かけてくれるので(笑)同期とか先輩からしたら迷惑な話なんですけど。」
ーーかわいい妹分っていう感じなんですかね
岩谷「うーんどうなんだろう?まぁ引っ張っていくタイプではないですね。甘えてたい。すがってたいタイプなので。」
ーー団体の中では先輩のポジションになってきていると思いますが、そこでのポジションによるご自身への重圧みたいなものはあったりしますか?
岩谷「いやーもう慣れました。流石にスターダムは色々なことが起きて、色んなことがあったりする中で、自分とカイリとイオさんで支えていかなきゃ頑張っていかなきゃってところから意識が変わってきたっていう部分はあるのかなって思います。やっぱ自分自身もしっかりしなきゃなと。そっからかな意識が変わってきたのは。」
ーー確かに3人娘と注目を集めて来た頃から凄い成長されたというかはた目から見ていても。海外で試合もされて。1回海外で涙ぐまれていることもありましたが。淋しくなっちゃって?
岩谷「そうなんですよー。それ多分メキシコじゃないですかね。初めての海外がメキシコだったんですよ。向こうの空港についた途端に泣き出して。帰りたいーもーやだーって(笑)」
ーー遠くにきて怖くなっちゃった。淋しくなっちゃったみたいな
岩谷「淋しくなっちゃいましたね。家が好きだから帰りたいーって。猫に会いたいーって。」
ーーそういうご自身を変えるような色々な経験があったから成長してこれたと
岩谷「はい。」
◆必殺技に関する思い入れ◆
ーー必殺技に関する思い入れというところで、ドラゴンスープレックスホールドをフィニッシュホールドにされてると思いますが二段式ドラゴンスープレックスホールド。なぜ二段式をチョイスしたのでしょうか?
岩谷「初めてドラゴンスープレックスを出したのが1期生対3期生の抗争があって、そこでどうしても勝ちたい、自分にできる技はなんだろう?って思った時に腰の柔らかさ、ブリッジが得意だったので、そういうブリッジ的な技を使いたいなーと思って色々動画で調べて『あっドラゴンスープレックスだ』って使い始めたんですけど、二段式ドラゴンっていうのは多分初めてのシンデレラトーナメントの時に初めて出してそれで優勝したんですけど。やっぱり勝ちたいわけじゃないですか、勝ちたい時にドラゴンっていうのは、それで何回も勝っているので相手に切り返されたりだとか、自分のことを熟知されてるので…」
ーー改良しないといけないと
岩谷「ちょっと改良しないといけないなと思って小川さんに相談した時に『なんか抱えてさー投げればいいんじゃない?』って」
ーーロッシーさんからのアドバイスだったんですか?
岩谷「はい、これ実は小川さんが考えた技なんですよ。」
ーーそうなんですか。Wikipediaには技名募集中って書いてあったんですがまだ募集中なんですか?
岩谷「週プロさんで技名募集したんですけどピーンとくるものがなくって。」
ーーだからずっと募集中(笑) 二段式なんでダブルドラゴンとか、どうかと思って聞いてみました
岩谷「まだ決まってない…」
ーー一応まだ募集中?
岩谷「募集中なのかな(笑)募集してない。」
ーー一応終わったと。終わったけどピーンと来るものがなかったと
岩谷「なかったです。」
ーーでも二段式は女子プロ界では、というよりプロレス界では岩谷さんのフェイバリッドホールドになりましたよね?
岩谷「はい。定着しているし、やっぱり岩谷麻優の技って思ってもらえてるっていうので本当に嬉しいです。」
ーー身体能力の部分で、先ほども腰が柔らかいって体の柔らかさがご自身の売り、ポイントだと
岩谷「体は柔らかくないんですよ。腰だけです。」
ーー他はあんまり柔らかくない?
岩谷「前屈とか全然できません。(伸ばして見せる)これで痛いし、開脚もできないし。」
ーー腰の柔らかさっていうのにはご自身としては元から得意だったんですか?
岩谷「いやーなんか得意になってた(笑)やっているうちに、ですね。」
ーーそれが必殺技に繋がっていったってことですよね
岩谷「はい。」
ーーでも麻優さんといえば体は細いのにハードヒットの受けも凄いじゃないですか、攻撃も激しいのをやるんで結構受けるほうも大変だろうなって思いますね。技をバンバン受けるのは。痛いじゃないですか
岩谷「痛いですね。」
ーーそのやられた日の夜とか、風呂あがった後とか結構くると思うんですけど、どういう風にケアをされていってるんですか?
岩谷「えー何もしてないですねー。」
ーー何もしてない(笑)特別なことは特にせずに…
岩谷「痛いと思いますし、首とか疲れてると思うことはありますけどケアとかは特に。」
ーー特にしてないですか?
岩谷「ここ最近は、レフェリーのバーブさんの治療院にいったりはするんですけど、特にはしないですね。」
ーーうまいこといってる?
岩谷「受けがうまいって言われるんですけど、自分じゃ『えっ何が?』って感じですね。別に普通に。」
ーー受けっぷりがいいと思うんですよね
岩谷「多分、恐怖心がないんだと思います。受けに対しての。」
ーーそうですか。ジェットコースターとか得意な?
岩谷「あー好きです(笑)」
ーーそっちなんですね
岩谷「めっちゃ好き(笑)」
ーーじゃあ三半規管が凄い優れてるからひっくり返ったり、目と耳が凄いいいんじゃないですかね
岩谷「(笑)ですかね。」
ーーだから多分、やられてる感覚がちゃんと意識できているから手と足と体がついてきているんだと
岩谷「そうなんだと思います(笑)」
◆スターダムのアイコンとしての思い◆
ーー現在のスターダムのアイコンとしての思いはありますか?
岩谷「何回も辞める辞める詐欺をして何回も逃げたけど、一応一期生で今までずっと所属してきたから、アイコンになれたし。継続は力なりってことなんじゃないですか(笑)」
ーーそうなれると思ってました?
岩谷「思わなかったですよ(笑)誰もが思ってなかったと思います。」
ーーその中でなってるから、そう思うと人生ってドラマチックだなぁと思うんですよ
岩谷「一番最初に辞めると思われてましたから、誰からも。」
ーーそんな皆で走るトレーニングしている時についていけなかったとか、それが継続は力なりっていう…
岩谷「本当に腕立ても1回もできなかったくらいなので…」
ーーそうなんですか?確かに女性の方って腕立て伏せができないとか苦手ですよね
岩谷「やり方がわからないですよね。支えられないし。自分の力で。スクワット10回とかもできなかったですね。上京した時は体重が45kgしかなかったんですよ。 」
ーーそれでよくプロレスラーをやろうと思いましたね
岩谷「そうですよね(笑)」
ーーそこは本当にすごいと思います
岩谷「はい、無謀な挑戦をしたなって思います(笑)」
ーー貫く意志力が強いなって感じなんですかね。初志貫徹というか
岩谷「初志貫徹の意味が…わからない。」
ーー最初に決めたことをやり通すみたいな意味ですね。逃げ場がないっていう部分もあったかと思うんですが、なくすものがないっていうのもあったと思うんですけど、逃げちゃダメってところなんですかね?
岩谷「はい。」
ーーそれって引きこもりの期間があったからそういう風に思ったんでしょうか?
岩谷「どうなんですかね、でも自分からプロレスをとったら本当にダメ人間なので。それはもう自分でわかっていることだから。リングに上がっている時だけしか輝けないっていう風に思っているので。」
ーーなるほど
岩谷「自分が生きているうちというか、生きている以上はプロレスラーとしてリングに上がり続けるということが岩谷麻優の生きる道っていうか、生きてる証なのかなって。」
ーー存在証明はそこにあるっていうそういう感じなんですね
岩谷「はい。」
◆WWEで活躍するカイリとイオについて◆
ーー元々同僚だった仲間で今はWWEで活躍するカイリ・セインさんと紫雷イオさんについてはどんな風に考えてますか?
岩谷「凄いなぁって思います。」
ーー連絡とかとったりします?
岩谷「いえ、ほとんどとることはないです。」
ーーそうですか
岩谷「イオさんは帰ってきた時にご飯一緒にいったりとかはしましたけど、そんなに頻繁に連絡をとったり、元々連絡とかとっていなかったので。日本にいても、海外にいても。」
ーーサンダーロック時代はイオさんは麻優さんがベストパートナーだと、海外にいく退団会見の時にも聞いてたので麻優さんへの信頼感は凄かったですよね
岩谷「プライベートでもお姉さん的存在なので本当に師匠っていう感じですね。」
ーーファッションとかも指導されたんですか?
岩谷「ファッションの指導?あっ、でもイオさんから服はもらってました(笑)それを着て生活してました。」
ーーハハハ(笑)
岩谷「とにかく面倒見がいいので。やっぱこの自分ってウルトラマンって呼ばれてたんですよ。3分でスタミナが切れるって。」
ーーなるほど。ダメな意味でのウルトラマン(笑)
岩谷「はい。って言われてた位の時期もあったんですけど、それでも自分と組んでくれて初期のころからチームプラネットっていうチームを組んでたし、タッグとしても自分が何もできない頃からずっと支えてくれて、で最後の方には女子プロ界1のタッグと自分達が思えるようなチームになれたので。岩谷麻優を引き上げてくれたのはイオさん。本当にイオさんにはプライベートでも感謝だし、レスラーとしても感謝しかないです。」
ーーそういう存在がいなくなった時っていうのは淋しいと思うんですけど
岩谷「いなくなるって聞いた時は、あー良かったなって思いました。えーおめでとうっていうか、いかないでーとかさみしーとかじゃなくて、あっイオさん行けるんだ。良かったですねーみたいな。本当に心からいってらっしゃいっていう感情でしたね。」
ーーその時、残された私はどうしようって思わなかったんですか?
岩谷「本当にスターダムって色々なことがあったので、何があっても乗り越えられる力、どうにかなるでしょみたいな(笑)」
ーー精神的にタフになったんですね
岩谷「はい、なりましたよ。本当に。色んなことがなければ、これからスターダム潰れちゃうかなーとか大丈夫なのかなーとか引っ張っていけるかなーとか思っていたかも知れないですけど。もうなんかそういう面では強くなりましたね(笑)何があっても大丈夫みたいな、なんとかなるっていう風に思います。」
ーー確かに色んなことがあるからメンタル面も含めて成長されたんですね
岩谷「めちゃめちゃ成長しました!本当に。」
ーープロレスやって良かったですか?
岩谷「はい。それは思います。」
◆膝の怪我からの復帰と調子について◆
ーーそれは聞いていて嬉しいですね。現在、膝の怪我から復帰されましたがその後の調子はいかがですか?
岩谷「調子はいいですよ。なんていうんだろ、たまに痛いとかはありますけど。試合中とかは…でもまだ復帰して2試合、3試合しかしてないからちょっとよくわかんないんですけど。」
ーーご自身としてはちょっと早かったなという気持ちはないんですか?
岩谷「ないです。」
ーーむしろもっとリングで早くやりたいーっていう気持ちの方が高かったんですね
岩谷「はい。本当に欠場している間、みんなの試合を見てるだけなので。本当にそれは精神的に嫌になりましたね。」
ーーそうですか
岩谷「この試合に自分が入ってたとしたらどういう試合になったんだろうなって。」
ーーやっぱりそうなんでしょうね。怪我されてその間に自分を見つめ直した期間にあてたと思うんですけど、欠場期間中に自分を見つめ直したりすることってありましたか?
岩谷「見つめなおす?」
ーー今後のプロレスライフというか
岩谷「いやー特になにも考えてなかったかな(笑)」
ーー本当に早く治そうっていうところに集中していた?
岩谷「休んで、家にいてグダグダして(笑)」
ーー何かその間に集中していたことってあります?
岩谷「うーん…映画をみること!」
ーー映画好きなんですね
岩谷「好きです。なんだろうなーこの1週間はがっつりコンビ二くらいしかいかないような生活で本当に引きこもりみたいな生活をして(笑)この1週間はジム行って頑張ろーみたいな。」
ーーじゃあそこはメリハリをつけて
岩谷「はい。」
ーーでも頭の中では復帰するためのプランで体作りをしていた。そんな感じですかね?
岩谷「そうですね。去年の12月位に怪我したんですけど。怪我してちょっと休んで、で復帰したんですよ多分。でそこは、滅茶苦茶ひざが痛かったんですよ。ひざが痛いのは騙し騙し、隠して騙してMSGにいったり、海外でROHのWOH世界王座のベルト獲ったりだとか、その時は本当に地獄の様な。」
ーーよく行けましたね
岩谷「もう歩くのも本当に足引きずってっていう…感じだったので。もう一回そのベルトが無くなって、本当にしんどいんで欠場させて下さいって言った時に、これでしっかり休めるなっていう風に思ったので。2度目の欠場は本当に休息っていう形にしました。」
ーーなるほど。やっぱりプロだからこそそういう意識をもって、本当に休まなきゃいけない自分のリミッターみたいなところがしっかりわかったっていう感じですかね?
岩谷「もうこのままやってても上にいけないっていうか、自分の動きが全部制限されちゃうなって思ったので。」
ーー今はいい感じなのが凄く伝わって来ます
岩谷「ありがとうございます。」
⇒次ページ(STARSのリーダーとして、5★STAR GPへの思いを告白)
◆STARSのリーダーとしてユニットをどうしていきたいか◆
ーーユニットのリーダーとしてこういう風にしていきたいっていう希望とかあったりしますか?
岩谷「うーん、なんかみんなが自由にやってますね。STARSって。」
ーー星輝さんなんかも復帰してチャンピオンになって。自由に優雅にやってる雰囲気ありますよね(笑)
岩谷「なんか大江戸隊とかはチーム一丸となって仲いいぜみたいな。プライベートでも仲いいんだぜっていう感じなんだけど。まあTCSもバラバラなんだけどプライベートは仲いいみたいな、感じだけど。STARSってプライベートでほとんど会わないんですよ。」
ーーそうですか
岩谷「一番仲良さそうっていうか。一番キャピキャピしてそうなグループって思うんですけど本当は仲良しこよしってやってるわけじゃなくて、練習であったり試合会場であったりして話するくらいなんですけど。個々がしっかり自己プロデュースできてるし、それでもって表に仲いいよってアピールしなくても相手のことをちゃんと思っているっていう感じなので、別に改めて仲良くしていこうよとかSTARSのこと考えようよってしなくても、本当に自然体のメンバーが集まっている感じなので。縛りがないっていうのもSTARSのいいところなのかなって思います。」
ーーそういう自由な空気がSTARSをよりよくしていくっていう感じなんですかね
岩谷「あとSTARSは一番、根暗です!」
ーーえっ、そうなんですか!
岩谷「(笑)STARSは根が暗い人が多い。」
ーーそんなイメージないですけどSTARSなのに
岩谷「根が暗いというか、メンタルがーんと落ちるというわけじゃないんですけど、一人の行動が好きっていう人が多いかな。」
ーーある程度、完成されてる人たちが揃っちゃっているっていう感じですかね。
岩谷「なんだろうな。」
ーーご自身のレスラー像というかキャラがあると思うので、その完成に近い人が集まっているから輝きが増して無駄な会話がなくて完成された集まりって感じですかね
岩谷「リングに上がるとみんなキラキラしてますよね。別に自分がどうこうって仕切っていくべきじゃないっていうか、そういう性格ではないし。自己プロデュースができているからこそ別に手を付けるべきではないというか…難しいなーコレ(笑)根暗っていいのかな?」
ーー根暗っていうか独立してるっていう感じなんですかね。
◆TCS(TOKYO CYBER SQUAD)の台頭に関する印象◆
ーー最近ではTCSとか勢いのあるユニットが台頭してきてますが、その辺りはどうですか?
岩谷「う~ん、TCS…チームとしては凄い勢いあるし。見てて華やかだし面白いなと思うんですけど、個人としての実力ってまだそんなにないじゃないですか。」
ーーまぁ何か獲ってるわけじゃないですからね
岩谷「だから自分が、ユニット対抗で集まった時に、勢いがある勢いがあるって向こうが発言していても、結果も残していない人達の集まりじゃんって思いました。まあ見た目も華やかにして、でもそれはただ単に絵面になった時の完成度が凄いだけで中身はそんなに大したことないというか。中身がないじゃんって思ってます。これからなんでしょうけど。」
ーーじゃあこれからぶつかったら叩き潰すっていうことですかね?
岩谷「次、島根でアーティストも組まれてますし※、次TCSに挑戦するので。必ず取り返したいなって思います。」
※島根でのアーティスト選手権はSTARSがTCSに勝利。ベルト奪還に成功した。
◆同期の星輝ありさ選手の活躍について◆
ーーワンダーのチャンピオンベルトを持っている星輝ありさ選手については?
岩谷「凄いと思います。復帰した時は本当にもう何もできないっていうか、見ててもこっちが苦しくなるくらいの試合しかできなかったので。ここまで成長するとは凄いなって思います。もともと身体能力は凄いあって、自分達同期の中でも抜群だったので。意識も凄い変わったのかなと思います。」
ーー復帰してからと今では凄く変わりましたね。
岩谷「1回ありさちゃんとぶつかり合ったことがあるんですけど、『ありちゃんどう思ってるのよっ』てお互いが思っていることをぶつけあって、話したことがあるんですけど内面から徐々に意識が変わってきて。今は尊敬していますね。ちゃんとジムにいったりとか練習もするし。意識が全然違うなって思って。以前のありさちゃんだとリスペクトできなかったけど今は本当にリスペクトしています。」
ーー蹴り技中心で当て感が戻ってきたというか当て感が凄いなと思いますね
岩谷「戻ってきたばかりか進化してるんです(笑)まだ若いし、この進化がとどまるところを知らない勢いで上がっていってるんで。今はSTARSとしてチームでやってるんですけど、対戦するとなるとちょっと怖いなって。」
ーーいずれまたどこかで対戦する機会も出てくると思います
岩谷「はい。対戦する時は自分も覚悟を決めて挑みたいなと思います。」
◆2連覇がかかる5★STAR GPへの意気込み◆
ーー昨年の5★STAR GPで優勝されて、今怪我から復帰されて2連覇がかかっていますが今回への意気込みは?
岩谷「去年優勝して自分は優勝したら赤いベルトに挑戦すると思ったんです。そしたら白いベルトに挑戦してこいって逆指名されて。私結構ひきずるタイプなんです。今年も優勝して赤いベルトに挑戦したいなって思いますし、5★STARって本当に過酷なんですよ。」
ーー大変ですよね。あれだけシングルの連戦となると
岩谷「本当にやりたくない。リタイアしたい…」
ーー気持ち的にはリタイアしたいけど、でも優勝して赤いベルトへの挑戦表明を行うと
岩谷「はい。そうですね。毎年思いますよ。この時期に来ると。もうやりたくなーいって。辛いよーって。」
ーー選手としてはそう思いますよね?
岩谷「でも優勝した時の充実感というか幸せな気持ち、今までの辛い試合をしてきた時の解放感が凄いあるので。それを去年味わって、滅茶苦茶気持ちいいと思ったので。」
ーーその時の女王ですもんね
岩谷「はい、今年も優勝したいですね。」
ーー自信は?
岩谷「自信はありますよ。そりゃ自信ないっていって挑む人はいないと思いますよ。」
ーーディフェンディングチャンピオンだから、そのあたりはズバリ何パーセント?
岩谷「まだブロック分けされてないんで。ブロックがわからないから何とも言えないなあと。やっぱりあたりたくない選手もいますし、この人がこっちのグループだったらいいのになぁとか(笑)」
ーー得意な対応と苦手なタイプはありますよね
岩谷「そう。自分が得意な選手がいるので。ブロック分けされてから考えたいと思います。」
(インタビュアー:山口義徳)
岩谷麻優インタビュー②はこちら。
【岩谷麻優インタビュー①】デビューのきっかけはこちら 1/4
【岩谷麻優インタビュー①】アイコンへ成長するまでの苦労と必殺技 2/4
【岩谷麻優インタビュー①】WWEに羽ばたいた同僚と怪我の調子 3/4
今回のインタビューを記念して岩谷麻優選手からサイン色紙をいただきました。
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※応募期日:2019年7月9日19:00~7月23日18:59