「佐賀駅ルートで整備を」 佐賀で新幹線フル促進へ大会 長崎県から県議ら出席

全線フル規格化を目指し、気勢を上げる出席者=佐賀市文化会館

 九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)の全線フル規格化に向け、佐賀県民の機運を高めようと「佐賀県フル規格促進議員の会」(会長・平原嘉德佐賀市議、49人)は5日夜、同市文化会館で「佐賀県民決起大会」を開いた。新幹線の効果を最大限に引き出すには「佐賀駅を通るルートしか考えられない」とする決議を採択し、約600人(主催者発表)が気勢を上げた。
 同会最高顧問で、同ルート与党検討委員会メンバーの今村雅弘衆院議員(比例九州)はあいさつで、整備促進には「佐賀駅ルート」を望む佐賀市民の声が重要だと指摘。「(周囲の人たちに)新幹線(が開通すること)でこんなに変わるよとスポークスマンになってほしい」と呼びかけた。
 熊本県職員時代にPRキャラクター「くまモン」の誕生に携わった熊本大理事の宮尾千加子氏が基調講演。九州新幹線鹿児島ルートが全線開業した2011年ごろ、「通過点になる」と懸念した熊本県がくまモンを活用し、大阪を中心に認知度を高めていった経緯を紹介。経験を踏まえ「新幹線開業を機に足元の宝に気づき、磨いて官民一体で発信していくことが大事」と強調した。
 長崎県からも県議や経済団体関係者ら約60人が出席(主催者発表)。経済団体など14団体でつくる長崎新幹線建設推進実行委員会会長の八江利春県議は終了後、「西九州新幹線開業で佐賀側の雰囲気も変わってきたと感じている。今後も両県で連携し、取り組んでいきたい」と話した。
 長崎ルートを巡っては、武雄温泉-長崎が9月23日に部分開業したが、佐賀県内の未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式は決まっていない。


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