ラグビーの第102回全国高校大会長崎県大会第3日は6日、大村市の県営放虎原ラグビー場で準々決勝4試合が行われ、長崎北陽台、長崎南山、島原工、長崎北のシード4校が準決勝に進んだ。島原工は初の4強入り。
この日一番の好カードとなった島原工-海星は、島原工が12-12の前半終了間際、FB珠林のトライで17-12として折り返すと、後半は10分までにCTB田中、WTB坂田らで3連続トライを決めた。海星もCTB堀田が個人技でトライを返したが、島原工が53-19で海星を振り切った。
大村工-長崎南山の序盤は大村工ペース。SO中尾を軸に敵陣深く攻め込んだが、長崎南山はここを確実なディフェンスでしのぐと、その後はナンバー8吉田、フランカー長渕らを中心にテンポの速い攻撃で8トライを奪った。大村工は試合を通じて好機を生かせず、長崎南山が50-0で快勝した。
第1シードの長崎北陽台は前半2、7分にFWがラインアウトモールを押し込むなど、計15トライの猛攻。ディフェンスで果敢に前に出てくる諫早農に99-0で大勝した。第2シードの長崎北も持ち味の展開力を生かして計9トライを奪い、佐世保工を69-12で退けた。佐世保工は前半から低いタックルで粘り、後半2トライを返す健闘だった。
第4日は13日、同ラグビー場で長崎北陽台-長崎南山(11時)、島原工-長崎北(12時20分)の準決勝2試合を実施する。
◎島原工、初の準決へ「やってきたこと信じて」
初の4強入りを決めた島原工。後半に地力を発揮して、粘る海星を53-19で振り切った。出田監督は「きついゲームになるのは分かっていたが、ここは勝って当たり前だと思って戦った。後半は自分たちがやってきたことを信じてやれていた」と学校の歴史に新たな1ページを刻んだ選手たちをたたえた。
主将のナンバー8佐藤が「今大会最初の試合。みんなガチガチで動きが硬かった」と振り返ったように、前半は思うように得点できなかった。激しいディフェンスから前に出るというスタイルを取り戻したのは、緊張が解けた後半から。佐藤、フランカー古賀、CTB田中、柴田を中心に接点で優位に立ち、後半だけで6トライを奪った。
部員数30人で中学からの経験者は6人。決して恵まれた環境にないが、今季は県内公式戦すべてで4強入りを果たした。佐藤は「でも、ここは通過点。次もタックルから流れをつくって、県新人大会で敗れた長崎北にリベンジしたい」と意気込んでいた。