行方不明になった女性のパジャマ…におい嗅いで30分後に発見、警察犬に感謝状 人を救って表彰は8度目

(左から)小林勝さん、フレイルオブS・ウィスタリア号、会田雄一草加署長=草加署

 行方不明になっていた高齢女性の発見に貢献したとして、埼玉県警草加署は、警察犬の「フレイルオブS.ウィスタリア号」(雄9歳、シェパード)の指導士で所有者の小林勝さん(53)に感謝状を贈った。

 同署によると、小林さんとフレイル号は先月25日午後8時ごろ、草加市内で高齢女性が行方不明になったとして同署の要請を受け出動。女性が身に着けていたというパジャマのにおいを手掛かりに足取りをたどった。「においを積極的に捕らえて、ぐいぐいと引っ張ってくれたので期待は高かった」と当時を振り返る小林さん。

 捜索開始から30分ほどで、女性宅から約1キロ離れた団地の敷地内にある自動販売機前に立っていた女性までたどり着き、同行していた警察官が保護した。女性にけがはなかったという。

 フレイル号はこれまでに行方不明者などの捜索功労で7度表彰されており、今回が8度目。これまでの出動回数は500回を超える。小林さんは「当時は気温が低く、女性が着ていた薄手のセーターでは寒そうだった。時間がたってしまい衰弱する前に見つけることができた」とフレイル号をねぎらった。

 同署の会田雄一署長は「命に関わる状況で早期発見できたことは日頃の訓練の賜物。これからもお互いの力を合わせて地域の安全を守っていただきたい」とたたえた。

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