磯村勇斗、写真集は“120点”で大満足! レスリー・キーが「すごい俳優に出会った」と絶賛

大作映画からインディペンデント、アート作品と幅広い分野に出演し、“実力派俳優”として波に乗る磯村勇斗。11月4日に発売した写真集「PASSAGE」は、磯村と世界的フォトグラファーのレスリー・キー氏が、5年の間に何度もセッションを繰り返した作品の数々が収録された1冊となっている。このたび、その写真集の発売を記念したイベントが、11月6日に行われた。

会見に登場した磯村は、完成した写真集を手に取った感想を「レスリーさんが切り取る写真を僕はずっと好きで、この5年間、レスリーさんにたくさん撮っていただいただいて、大満足の1冊になったのかなと思います。5年間のいろいろな成長を見られる写真集にもなっているので、非常に満足しております」と述べ、笑顔を見せた。

レスリーとの5年間のセッションで、印象的だったことを聞かれると「どれも印象的で、特にこの写真の時、ホテルの浴槽にバーッと入って躍動的に撮るとか、ホテルのベッドで騒ぐ一瞬を切り取る時のセッションは、2人とも童心に帰る写真を撮っていたので、とても印象的でした」と振り返った。

会見には、スペシャルゲストとして、レスリー氏がシンガポールから駆けつけ、「5年前に初めて会った時から今まで、すごく純粋なところと力強いところが、ずっとずっと変わらないことが素晴らしいと思う。初めて撮影をした時に、5年間かけて撮影して写真集にしたいとすぐに思い、思わず言ったのは人生で初めて。本当に久しぶりにすごい俳優さんに出会ったなと思っています」と、磯村を大絶賛。5年後に写真集を出すことについては、「まず、勇斗からすぐにOKがくることもそうだけど、事務所の方々もこのアイデアに乗ってくれたことにすごく感謝します。1人の勇斗のファンとして、友人として、そして勇斗をずっと撮り続ける写真家として、彼の30歳の記念の写真集として残したいと思っていたので、無事に(写真集を)発表できてよかった」と笑顔を見せた。

これに対し、磯村も「最初に聞いた時から、絶対やりたいなって思っていました。初めてお会いする前からレスリーさんのことを知っていて、写真が好きだったので『自分を撮っていただいただけるんですか? いいんですか?』っていうところもあって。でも、『この5年が楽しみ、5年頑張って生きよう』と思いますし、いいものを一緒にセッションして作っていきたいなという思いが、すごく強かったですね」と続けた。

レスリー氏について、磯村は「(すごいところは)いくつもあるんですけど、被写体、撮られる側の奥にある眠っているエネルギーを引き出してくださるんですよね。なので、自分の知らない面を切り取ってくれる。あと、とにかくセッションしていて楽しいです。いつも戦っているんですけど、愛がお互いの中にあって。愛情深いところが、とても魅力ですね」と教えてくれた。

印象に残っている撮影に関しては「寒い時期、洞窟の中での撮影。風がすごく通るので、全部おなかに風が当たって大変だった」と、海の近くの洞窟で、裸にジャケット姿で撮影したことが大変だったそう。早朝から1日中撮影をしたそうだが、「その日は1日とても刺激的でした。疲れなかったです。ずっと覚醒してました」と、疲れが吹き飛ぶほど、レスリー氏とのセッションを楽しんでいた様子がうかがえた。

今作では、5年間で撮影された全10万枚のうち、厳選された約200枚の写真が収録されている。レスリー氏が撮影した自身の姿を「自分で見て『ほれるな』とかは言えないんですけど。でも、やっぱりツヤ感っていう部分とかは、自分にもそういうのがあるのかなというか、そこの部分をレスリーさんに魅力的に撮っていただいたので、いい写真に仕上がっているんじゃないかなと思いますね」と話し、はにかんだ。

レスリー氏がお気に入りの写真に選んだのは、表情豊かな磯村の写真が一面に載っているページ。あり過ぎて選ぶのが難しいと言いつつも、「このシリーズはとても好きだなと思って。勇斗の魅力がみんな完璧にいろいろ見えると思います。簡単に見えるんですけど、なかなか難しい。やっぱり俳優は表情と表現が大事じゃないですか。“彼はモデルじゃないから、ダントツ俳優ですから”と思っています」と磯村の表現力を絶賛した。

対して磯村は「僕は、本当に苦手なんですけど、でもレスリーさんは特別で。ここまで心を開いてセッションできる方ってなかなかいないんですよね。もちろん、ほかにもフォトグラファーさんはいますけど。やっぱり、こういう場(記者会見)で写真を撮られのも苦手ですし、でも、フォトグラファーなんですけど、(レスリーさんが)どこか監督みたいなところがあるので、どちらかというと映画を撮っているような気分です。だから自由に表現できるんだろうなと思います」と、今度は磯村がレスリー氏への信頼感を告白した。

カラー写真とモノクロ写真をどのような意味で分けているのかという質問に、レスリー氏は「ポートレートとして中心のところはモノクロにしました。つまり、シンプルな背景でモノクロにしている理由は、彼の存在感やアイデンティティーを残したいと思ってそうしています」と明かした。

また、ポージングについては、レスリー氏からの指示を受け、1度やってみて、そこからどんどん崩していくというスタイルだったそうで、これに関して「(磯村は)崩すのが、とても得意。私がこういうふうに撮りたいとイメージを伝えたらすぐに分かってくれて、お互いのキャッチボールがすごかった。俳優さんでこんなにキャッチボールができる人はいないから珍しい。さらに、私が指示したポーズだけではなく、逆に勇斗からもそれ以外のポーズや表情を崩す中でやってくれて、いい写真が撮れたなと思っています」と、またもレスリー氏から絶賛され、磯村も「感覚でいつも撮っていて、(ポーズを)決めずに、その時その時でやっているので、どういうポーズが出るかは自分でも分からないです」と返した。さらに、「勇斗は指がとても奇麗。だから、アップで撮る時に手を使うと魅力が増す。そこはすごくポイントだと思います」と褒められると、磯村は「これからは手を意識してしまいますね」と言って、会場の笑いを誘った。

表紙の写真には、「表情もそうだけど、手が奇麗だから。優しさもあって強さもあって。私も勇斗もマネジャーも満場一致でこの写真に決まった。表情がポイント。パンク、ロック、美少年もできる、すべてがこの1枚に映っていると思った」というレスリー氏の言葉に、「これから宣材写真はこれにしたいと思います。それくらい表情と手も力の加減がミスマッチしているんですけど、ひかれる写真だと思ってこの写真を表紙にしました」と磯村も気に入っている様子。

また、今作のタイトル「PASSAGE」に込めた思いを聞かれると、磯村は「一言でいうと通過点ですね。まだまだ僕自身もですけど、変化していかなければいけない中での、ちょうど30歳の節目というところで。これから40歳に向けて俳優として、ステップアップしていく中で、ちょうどこの30歳に出すというところを含めて、『PASSAGE』という名前がとてもいい意味合いを持つんじゃないのかなということで付けました」と答えた。

写真集に点数をつけるならという問いかけには、「点数なんて読んでくださった方がつけてくれたらうれしいですけど。レスリーさんにこれだけすてきな写真を撮っていただいたので、写真ということで考えると大満足です。120点の写真集になっていると思います」と力を込め、自ら太鼓判を押した。

続けて、「今回の写真集はレスリーさんというのもありますし、海外の人たちにも見てもらえたらうれしいです。もちろん国内で応援してくださる方々や、お世話になっている方々にも見てもらいたいですけど。写真がとてもいいので海外の方々にも見てもらいたい」と、今作が自信作だという思いがあふれていた。

レスリー氏には早くも次回作の構想があるようで、「この5年間は、ファッションを中心としたファッションフォトを意識して撮影してきました。勇斗を1人の俳優として、彼が衣装を着た時に、どんな化学反応が起こるのかというのを、ロケもスタジオも室内も常に考えて撮影してきました。そして今日、次の5年間のことを『10本の映画で、まるで磯村勇斗が10個の主人公を演じているかのような写真に挑戦してみない?』と彼に伝えました。“ファッションフォト”から、次は“ムービーフォト”にしたいと思っています」と意気込みを見せた。

ドラマや映画への出演が相次ぎ、今年は、映画「ヤクザと家族 The Family」、「劇場版 きのう何食べた?」(ともに2021年)で「第45回日本アカデミー賞新人俳優賞」受賞と、30歳の節目が大活躍の年となったた磯村。「今年は僕にとっては、かなり映画の年だったなと思っていて。初めての主演映画もありましたし。いろいろな賞もいただいたりしたので、ようやく映画界に少し足を踏み入れることができたなと思っているので、ここから映画を盛り上げられる一員になりたいなと思います」と、この1年を振り返った。

最後に、今年1年を漢字1文字で表すとしたらと尋ねられると、「いろいろな変化があって、そしてこれからも変わっていきたいと思うし、『PASSAGE』の意味も込めて“変化”の“変”ですかね。まだまだ変化していきたいという希望も込めて“変”にします」と答え、「30歳になって、これから40歳に向けての10年間、自分自身でもとても楽しみなので、いろいろな枠にとらわれずに、もっとエネルギッシュにアグレッシブに枠線を超えていきたい。怖がらずに安定を求めずにトライしていきたい」と今後の目標を語り、力強く締めくくった。

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