WEC&IMSA参戦予定のキャデラック、セブリングで新型LMDhの24時間耐久テストを実施

 キャデラックV-LMDhで2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスと、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦するチップ・ガナッシ・レーシングは、来年1月にデビューする新型プロトタイプカーの24時間耐久テストを完了させた。

 このテストの会場となったのはアメリカ、フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイ。チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)は、1台のキャデラックと6人のドライバーでセブリング12時間レース2回分に相当するシミュレーションを実施した。

 また、テストにはIMSA GTPで1台のV-LMDhを走らせるアクション・エクスプレス・レーシング(AXR)も参加し、“規定”のテストを行っている。

 キャデラックによると、ダラーラベースの新型LMDhマシンは、今回のセブリングテストによってさらに走行距離を伸ばし7月のロールアウト以来、総走行距離は約1万9000kmに上っているという。

 キャデラック・レーシングのアシスタント・プログラム・マネージャーであるカルビン・パーカーは、「セブリングに来て新車のペースを上げ、路面がもっとも過酷な環境で走ることによって起きることを確認できてよかった」と語った。

「また、新しいシステムを搭載したニューマシンで、24時間にわたってチームとしてどのように機能するかを確認できたことも有益だった」

「一方のクルマを24時間フルに走らせ、もう一方のクルマに夜間走行を含む非常に成功したテスト計画を実行できた。これは変化するトラックコンディションの中でドライバーが新しいヘッドライトに慣れるのに役立った」

 CGRのクルマは限定的なダウンタイムがあったと伝えられている。キャデラックによると、「夜間走行を含むレースに相当するスティント、耐久性の検証」に関するデータを収集する必要があったという。

 耐久テストの前半はランガー・バン・デル・ザンデとセバスチャン・ブルデー、そしてもうひとりのドライバーがステアリングを握っていたとされているが、Sportscar365はその人物がスコット・ディクソンであると理解している。

 その後、アレックス・リン、リチャード・ウエストブルック、アール・バンバーというCGRのWECラインアップが、後半の12時間を分担してドライブした。

■「2時間あるから、探検してこい」

 AXRではアレクサンダー・シムズとピポ・デラーニがテストに参加し、IMSA GTPでの成功を目指すアメリカチームのマシンを交互に走らせた。

「すべてのドライバーとクルーメンバーにとって、このようなサーキット走行は、マシンを本当に知るための唯一の方法だ」と語るのは、来季のWECハイパーカークラスでキャデラックV-LMDhをドライブする予定のリン。

「僕たちはチームに送り出されたあと『(走行時間が)2時間あるから、探検してこい』と言われる。シーズンが始まれば、どのコースにも学ぶべきことがある。だから、いまのうちに自分で探索して(クルマについて)学ぶことは、特にパフォーマンスを求め始めるときにはいい気分になるものだ」

 Sportscar365によると、アキュラとBMWも開発中のLMDhカーでセブリングテストに参加していたが、キャデラック以外のメーカーも耐久テストを行ったかどうかは不明だ。

 キャデラックのセブリングでのテストは、ポルシェが同サーキットで36時間のシミュレーションを行った後に行われた。同地では来年3月にWEC開幕戦とウェザーテック選手権第2戦が併催され、どちらのシリーズでもLMDhカーが走行する予定となっている。

© 株式会社三栄