アイアン・リンクス、GTもランボルギーニに鞍替え。ウラカンGT3 EVO2で2023年からIMSAとGTWCに参戦

 現在フェラーリの車両でGTレースを戦っているアイアン・リンクスが、来季からランボルギーニのファクトリーサポートを受けてGT3レースに挑むことが発表された。IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のミシュラン・エンデュランス・カップと、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSに参戦する。

 11月5日にポルティマオで開催されたランボルギーニ・グランド・ファイナルズで発表されたとおり、2024年から参戦が始まるLMDhプログラムにおいて、ランボルギーニはアイアン・リンクスと提携することになった。

 だが、両者のコラボレーションはひと足早く2023年のGTカテゴリーで始まり、アイアン・リンクスはIMSA開幕戦のデイトナ24時間にランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO2を3台投入、そのうちの1台は女性ドライバーラインアップの“アイアン・デイムズ”として参戦する予定だ。

 その後、エンデュランス・カップの残りのラウンド、すなわちセブリング12時間、ワトキンス・グレン6時間、プチ・ル・マン10時間レースにアイアン・リンクスとアイアン・デイムスで参戦する予定となっている。

 アイアン・リンクスがGTDプロとGTD、どちらのクラスに参戦するかは明らかにされていないが、GTDプロであることが予想される。

 ランボルギーニのモータースポーツ責任者であるジョルジオ・サンナは先月、エンデュランス・カップで、オールプロ・ラインアップとなるGTDプロに1台を出走させる予定だと語っていた。

 アメリカでの活動に加え、アイアン・リンクスはGTWCヨーロッパ/エンデュランス・カップにも、ランボルギーニのアップデートされたGT3車両で参戦予定だ。

 こちらも3台体制となり、63号車と19号車、さらにアイアン・デイムスの83号車というラインアップとなる。

2023年、アイアン・リンクスが投入するランボルギーニ・ウラカンGT3 EVO2のイメージ

 LMDhの契約により、アイアン・リンクスはGT3プログラムをフェラーリからランボルギーニに変更することになるが、来年もGTEカテゴリーでフェラーリを走らせるかどうかは未定だ。GTE車両は2023年、ル・マンを含むWECのLMGTEアマカテゴリー、さらにはELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦できるが、ランボルギーニにはGTE規定の車両がない。

 アイアン・リンクスは最近、ポルティマオでプロトン・コンペティションのポルシェ911 RSR-19をテストしたが、GTEプロジェクトの次なるステップについてはまだ発表がなされていない状況だ。

「アイアン・リンクス、そしてアイアン・デイムスのために、ランボルギーニとともにこの新しい章をスタートできることをとても嬉しく思う」と、アイアン・リンクスのチーム代表であるアンドレア・ピッチーニは述べた。

「2018年にランボルギーニ・スーパートロフェオでデビューして以来、チームは急速に成長し、いくつかの並外れたシーズンをまとめ上げ、ますます競争力を高めている」

「多くの作業と準備を経て、ランボルギーニと共にトラックに乗り込み、さらなる成功を収めることが待ちきれない」

 2018年の設立以来、アイアン・リンクスは複数のカテゴリーでトップレベルのスポーツカーレーシングチームに急成長している。

 最も特筆すべきは2021年のスパ24時間レースで総合優勝を果たしたことだ。GTEアマでは、昨年のELMSのチームタイトルとル・マン24時間レースでのクラス表彰台を獲得、フェラーリ・チャレンジでもタイトルを獲得している。

 さらにアイアン・リンクスは今年、シングルシーターの雄、プレマとのコラボレーションによりプロトタイプレースに進出し、LMP2デビューイヤーに圧倒的な力を見せ、ELMSのタイトルを獲得している。

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