元県議「受け取った時のことは記憶にない」 河井事件 被買収側の裁判 

河井夫妻の大規模買収事件、被買収側の裁判です。元県議は、被告人質問で、「現金を受け取ったときのことについて記憶にない」などと述べました。

【写真を見る】元県議「受け取った時のことは記憶にない」 河井事件 被買収側の裁判

起訴状によりますと、元県議会議員の宮本新八被告は、3年前の参議院選挙で、河井案里氏を当選させる目的と知りながら、夫・河井克行元法務大臣から2回にわたり、現金あわせて50万円を受け取った罪に問われています。

7日の被告人質問で、宮本被告は、最初に現金30万円を受け取ったときの状況や気持ちについて「記憶にない」と述べました。

克行氏の裁判で「封筒が厚いので陣中見舞いではないと思った」と証言したことについては、「検事に言われて証言した」「証言したときの記憶もない」などと話しました。

また、公民権停止期間の短縮を求めていることについて問われると、「現職の議員に何かあって議員が続けられなくなったときに、わたしに5年の公民権停止期間があると立候補ができなくなるから」と答えました。

今後、選挙への立候補の可能性は「分からない」と述べました。

宮本被告は、ことし3月、罰金25万円・追徴金50万円の略式命令を受け、公民権の停止期間が5年とされていましたが、これを受け入れず、正式な裁判を求めていました。

宮本被告は、裁判のあと、広島市内で記者会見を開きました。

裁判に臨んだ理由について問われると、宮本被告は「追徴金の額と、公民権停止の期間が妥当かどうかを争いたい」と述べました。

追徴金について宮本被告は、「不正に得た金額を追徴するのが追徴金だが、私は、現金を返しているし、手元に不正に得たものはない」と訴えました。

公民権停止期間については「5年間が妥当なのかどうか。2027年の県議選に出たいから短縮を求めているわけでない」と話しました。

また起訴内容の一部については、「陣中見舞いであり、第三選挙区支部からの交付金だ」と述べ、買収ではないと改めて否定しました。

宮本被告の裁判は、次回、12月20日に結審し、1月20日に判決が下される予定です。

この事件では、河井夫妻から現金を受け取った被買収側のうち、買収の認識を認めなかったなどの9人が在宅起訴され、略式命令を受け入れなかった3人を加えた12人について、裁判が開かれます。12人で裁判が開かれたのは、宮本被告が初めてです。

© 株式会社中国放送