東急電鉄(東京都)は、こどもの国線の駅構内や電車内で歩行補助ロボットを使った実証実験を21日から28日まで行う。期間中、歩行困難者らがロボットを装着した上で、階段の歩行、電車の乗降、車内座席への着座などの動作を検証。参加者へのアンケートやロボットに蓄積された移動データを活用し、今後の鉄道施設のバリアフリー環境整備に役立てたい考えだ。
ロボットは、信州大学発のベンチャー企業・Assist Motion(長野県)が開発した「curara(クララ)」。腰にベルトを巻いて下半身に装着すると、モーターが股関節の動きを手助けする仕組みだ。2.3キロと軽量で、着脱が容易なのが特徴という。
東急電鉄によると、車いす利用者らに対する乗車補助業務は1日約300件を数える。高齢化に伴い今後も増加が見込まれる一方、鉄道事業者側の人材不足も課題となっており、新たなバリアフリーサービスの可能性を模索している。
同社によると、歩行補助ロボットを使った実証実験は鉄道業界で初めて。7日には、長津田駅などで報道陣向けに模擬実験を実施した。担当者は「クララ着用により、鉄道利用や沿線外出へのハードル低減に寄与するか、ニーズを分析し、今後の連携について検討していく」と話した。