オミクロン対応ワクチン接種率低調 栃木県内、危機感の薄れ要因か

栃木県庁

 新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンの栃木県内の接種率が総人口の8.97%にとどまることが7日、県の集計で分かった。接種開始から1カ月がたつ中で低調な出足となっており、県は感染への危機感の薄れなどを要因の一つに挙げている。感染が拡大局面に入りインフルエンザとの同時流行も懸念される中、県はワクチンの種類にかかわらず早期に接種するよう呼びかけている。

 県内では9月下旬から接種を開始。県によると、今月6日までに17万4308回の接種が行われた。直近1週間では2万8167回。栃木県の接種率は全国平均(6.82%)を上回るものの、若年層を中心に伸び悩んでいる。

 年代別で最も高いのは50代で20.15%、次いで60~64歳が13.77%、40代が11.60%。一方、若年層では12~19歳が6.39%、20代が5.55%、30代は7.33%と低調。接種間隔の関係でまだ対象となっていない人が多い65歳以上は6.74%だった。

 「BA・1」対応ワクチンを接種する4カ所の県営会場のうち、とちぎ健康の森(宇都宮市)では予約枠が埋まりつつあるが、矢板、小山、足利の3会場の予約は定員の5割程度にとどまる。県が活用を促している企業・団体単位での接種予約や、大学などへの巡回接種の予約もゼロという。

 県感染症対策課は「感染への危機感の薄れがあるのかもしれない」と指摘。現在主流の系統「BA・5」に対応する最新型ワクチンの接種を望み、様子見をする人もいるとみている。

 接種促進策の一環として県は7日、高齢者・障害者施設への巡回接種の予約受け付けを開始。とちぎ健康の森でも予約枠を増やした。

 県内ではこれまでにオミクロン株の新たな派生型「BA・4.6」などの陽性者が確認されている。同課は「BA・1対応型とBA・5対応型の効果に明確な差はない」として接種を促進している。

© 株式会社下野新聞社