大谷は来季もエンゼルスで開幕へ ミナシアンGMがトレードを否定

日本時間11月8日、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは今オフ中に大谷翔平をトレードしない方針であることを明言した。大谷のトレードの動向は、今夏のトレード・デッドラインから常に注目されてきたが、今回のミナシアンGMの発言により、大谷は来季もエンゼルスの一員として開幕を迎えることが決定的に。年俸調停を回避して1年3000万ドルの契約を結び、エンゼルスが球団売却を控えていることなどから、トレードの可能性は低いとみられていたが、今オフ中に大谷がトレードされる可能性は極めて低くなった。

ミナシアンGMは「今オフ中」のトレードを否定しただけであり、エンゼルスが来季途中に大谷をトレードする可能性が完全に消滅したわけではない。1年3000万ドルで契約したとはいえ、大谷が来季終了後にフリーエージェント(FA)になるということに変わりはないからだ。エンゼルスは新オーナー決定後、大谷との長期契約に向けて交渉を行うはずだが、大谷がエンゼルスとの長期契約を望まず、なおかつ来季もチームが低迷した場合、大谷は来季のトレード・デッドラインで再びトレード市場の注目株となるだろう。

大谷を獲得する側のチームのことを考えると、最も望ましいトレードのタイミングはオフシーズンだろう。大谷を獲得し、二刀流でプレーさせるためには、そのためのチーム編成が必要になるからだ。トレード・デッドラインの補強として大谷を獲得する場合、そのチームはシーズン途中で大きく編成を変更する必要が出てくる。トレード・デッドラインでの移籍となれば、大谷争奪戦に手を挙げるチームの数はそれほど多くならないかもしれない。

エンゼルスとしても、保有可能期間が残り1年のタイミングと残り半年のタイミングでは得られる対価のクオリティが変わってくる。いずれ大谷を放出するのであれば、早ければ早いほど上質な対価を得られるはずだ。つまり、エンゼルスには大谷放出の意思はなく、今回のミナシアンGMの発言は来季も大谷を軸としてポストシーズン進出を目指すチームを作るというチーム方針を明確にしたものと言える。球団売却問題に揺れるなか、ミナシアンGMがどんな補強を見せるか注目したい。

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