開館から26年 長崎原爆資料館の展示更新へ 着手時期などは「検討中」

長崎原爆資料館の展示更新について意見を交わす委員ら=長崎市平野町、同館

 長崎市は7日、長崎原爆資料館(平野町)の展示内容の更新に向けて、「若い世代に伝わる展示」など六つの方向性を明らかにした。開館から26年がたち、時代やニーズの変化、歴史認識の相違などを踏まえた更新の必要性が指摘されている。具体的な内容や着手時期は「検討中」として示していない。
 被爆者や有識者でつくる同館運営審議会の本年度初会合で報告した。過去の会合では戦争や核兵器に関する「Cコーナー」を巡り、年表中の「南京大虐殺」の表現修正を求める声や、復興の歩みや若者の活動、最新の核情勢に関する展示を充実させるよう求める意見などが挙がっていた。
 市はこうした議論を踏まえ、資料館全体の新たな展示の方向性として▽核兵器の最新状況が分かる▽核兵器廃絶の動きにつながる復興の歴史▽平和について考え行動するきっかけとなる-など6項目を整理。原爆投下前の長崎や原爆の惨状を紹介するA、Bコーナーは追加資料の調査や整理に時間がかかるとして、Cコーナーから更新の検討を進める考えも示した。
 篠﨑桂子館長は「更新はかなり大事なので、スピード感や特定の部分だけにこだわらず、若い人に伝わる展示になっているか、より良い伝え方なのか、しっかり考え方を示していきたい」と話した。


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