ギリギリの客、限度額すれすれ…あ!女性銀行員、直感で詐欺阻止 携帯代の支払いなのに振り込み先が個人名

中出功署長から感謝状を受け取った島崎さん(左)=秩父署

 特殊詐欺被害を未然に防いだとして、埼玉県警秩父署は武蔵野銀行秩父支店窓口担当の島崎望さん(38)に感謝状を贈った。

 同署によると島崎さんは、8月2日午後0時ごろに来店した秩父市の70代男性に高額現金の振り込み依頼を受け、用途を尋ねると、「携帯電話料金の未納があり、支払わなければ裁判になる」などと答えたことから詐欺を疑い、警察に通報。特殊詐欺被害を未然に防いだ。

 島崎さんが詐欺を疑った決め手は、男性が振り込もうとした金額49万9600円。同銀行のATMは盗難・偽造防止のため、磁気型カードでの利用限度額は50万円と定められている。「手数料も含めて、50万円ギリギリの金額を振り込もうとしているお客さんは詐欺に遭っている可能性がある」と、島崎さんは日頃から警戒していた。

 同署の中出功署長から感謝状を受け取った島崎さんは「振り込み先の名義が個人名だったことなど、他にも怪しい点があったので、落ち着いて対処できた」と話していた。

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