EPICの “三恩人” がいる。それは佐野元春、ラッツ&スター、そして THE MODS だ!  モッズ待望のニューマキシシングル「DRIVE WAY JIVE」リリース!

デビュー41年目のモッズ。新たな一歩は温故知新型アコースティックサウンド

今年レコードデビュー41年目を迎えるTHE MODS(以下モッズ)。80年代はEPICソニー黄金期の一翼を担う。そして現在も最前衛のロックバンドとして活動を継続している日本の音楽シーンの至宝だ。

2021年から2022年までのデビュー40周年のアニバーサルイヤー期間では、二度の日比谷野外音楽堂公演を含む二度のツアーを敢行。コロナ禍という非常事態の中においても、“これがモッズ!” という堂々たるステージを展開させ、その変わらない存在感をファンにアピールした。

長きに渡るキャリアの中で、現在もアップデートを重ねるモッズのニューマキシシングル「DRIVE WAY JIVE」が本日リリースされた。タフで重厚なロックンロールバンドという印象の強いモッズの新作は、温故知新型とも言うべき、ブルースなどアメリカのルーツミュージックに回帰したアコースティックサウンドだ。

つまり、このマキシシングルは、40年という大きな節目を越えた不退転のロッカー、モッズの新たな一歩といっていいだろう。そしてその答えが、ブルースのフィーリングをふんだんに取り入れたアコースティックサウンドなのだ。

ブルースは50年代、60年代、70年代というロック黄金期のエッジの効いたエッセンスを随所に散りばめたモッズサウンドの根源でもある。深く、深く自分たちの音楽をたどりながら生まれたモッズ流のアコースティックは、従来の静的なイメージとはかけ離れたドライブ感溢れる独自性の高い仕上がりだ。

藤井フミヤ、藤井尚之、福山雅治… 多くのミュージシャンがリスペクト

モッズは、40年以上という長い年月の中、自分たちの太い幹だと言うロックンロールを基盤に、時代即した最新型のアプローチを施し、サウンドをクリエイトし続けてきた。気安く流行に乗ることも、大衆に迎合することもなく、活動の主軸をライブに置き、目の前のファンと真摯に向き合ってきた。そのひたむきな姿は、藤井フミヤ、藤井尚之、福山雅治、氣志團・綾小路翔、大黒摩季、馳星周、宮藤官九郎など、数多くのミュージシャン、文化人がリスペクトしている。

“めんたいロック” と称された福岡発のビートグループであったモッズが、博多最後の大物とささやかれながらEPICソニーと契約。ロンドンレコーディングを経てデビュー。当初は「目黒鹿鳴館」というライブハウスをホームとし、着実に動員を増やしていく。デビュー1年後には、今も ”雨の野音” として語り継がれている日比谷野外音楽堂公演、そしてホールツアーを重ね、1986年には日本武道館公演を実現。武道館のステージに立ちながらも前日には渋谷のライブハウスに出演。どんな場所でありながらも、目の前のファンのために完全燃焼するというスタンスは今も続いている。

EPICの “三恩人” 佐野元春、ラッツ&スター、そしてモッズ

日本のレコードレーベルの中でもEPICソニーはロック系アーティストに強いこだわりを見せた独自性の高いレーベルだった。だから、好奇心旺盛な当時のティーンエイジャーの心にダイレクトに響いた。『「80年代」と書いて、「EPICソニー」と読む』という名文句があるように、この時代、日本のロックを一般に浸透させ、日本語のロックのフォーマットを確立させた功績は大きい。

モッズは、EPICソニーの設立者であり、”ロックの丸さん” の愛称で親しまれる丸山茂雄と現在も行動を共にしている。かつて丸山はこのようなコメントを残した。

「俺は良く言うんだけど、EPICの ”三恩人” がいる。精神的な部分で佐野元春、金銭的な部分では、一番苦しい時に稼いでくれたラッツ&スター、そして、ロックバンドっていうのはどういうのか教えてくれたモッズ」

―― と。それは、ロックバンドとは、一時的に宣伝費を投入して一発屋的にヒットを放てば良いと言うものではない。ライブ活動を軸足に地道にツアーを重ねていく。ツアーを重ね、着々と実力をつけていくことによって動員が増え、結果的にレコードセールスにつながっていくということだ。つまりロックバンドは一朝一夕で出来上がるものではないと。長期を見据え、行動を共にし、その結果、やがて新たな道標を作る―― それが丸山の考えであり、EPICソニーの理念にも繋がるだろう。

このスタンスで育ったEPICのロックバンドが、結果的に一時代を築き、日本の音楽シーンの常識を変えていった。モッズはその先陣を切っていた。

どのようにして効果的に日本語を響かせるか?日本のロックバンドとしての命題

ローリング・ストーンズ、ヤードバーズ、キンクスといった英国ビートグループをルーツに持ちながら、パンクロックの初期騒動に触れバンドを覚醒させていったモッズ。しかし、そこにバンドとしてのスタート地点があったとしても、日本のロックバンドならではメロディ、森山がクリエイトする楽曲は、どのようにして効果的に日本語を響かせるかに特化していた。洋楽の模倣ではなく、日本のロックバンドとして、どのようなアイデンティティを築いていくか。モッズはこういった命題に真正面から向き合ってきたからこそ、根強いファンを獲得することができた。

マイナーコードを効果的に使う森山ならではのメロディラインと類稀な歌唱力はリリックに表情を与え、聴く者の魂を高揚させる。だからこそ、楽曲に普遍性があり、ファンはたとえ30年前の楽曲であっても、懐メロと捉えず、今の自分に必要な音楽として生き方の指針にしている。

「夜に抱かれて / SHADOW OF THE NIGHT」のセルフリメイクに注目

その傾向が色濃く表れているのが今回のマキシシングルに収録されている「夜に抱かれて / SHADOW OF THE NIGHT」のセルフリメイクだ。この楽曲のオリジナルは1985年にリリースされたオリジナルアルバム『BLUE-MIDNIGHT HIGHWAY』に収録されている。

当時の最先端の録音技術でレコーディングされたアルバムにふさわしソフィスティケートされたこの楽曲は、従来のイメージを覆すぐらい、歌、メロディ、リリックが剥き出しになっていた。アコースティックというシンプルな楽器構成だからこそ楽曲に潜む普遍性がダイレクトに伝わってくる。

集中豪雨に見舞われながら、アンプを通じた全ての音か消え、生声とドラムの音だけでオーディエンスと向き合った ”雨の野音”、全国のホールでツアーを行なっていた時代はオーディエンスのヒートアップにより、全国の会館から締め出せれそうになったこともあったという。そんな数々の修羅場をくぐり抜けたバンドだからこそのグルーヴの強靭さは、アコースティックサウンドの中でも健在だ。

不退転のロッカー41年目の新たな局面をしっかりと受け止めてほしい。

カタリベ: 本田隆

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