【ダナーのメンテナンス】10年以上履けるブーツのお手入れ方法をベテランキャンパーが伝授!

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今回お話しする『Danner(ダナー)』は、「軽量」「快適」でキャンパーにもお馴染みのシューズブランド。山を歩く、沢を渡る、マラソンをする、バイクに乗る、浜辺を歩く、などなど、さまざまなシチュエーションに対応できるアウトドアシューズは僕も大好きです。今回は、ベテランキャンパーの筆者が愛用する『ダナー』の魅力やメンテナンスについてご紹介します。

アウトドア歴40年の筆者愛用の靴はなんと30足……!

僕は靴が大好きです。30足ほど靴を持っていて、シューズボックスの中は僕の靴ばかり。そのほとんどがハイカットのワーキングブーツやハイキングブーツで、しかも縦に場所を取る物ばかり。

どれもこれも黒か茶系で、興味のない妻には同じ靴にしか見ないのは仕方がないことです。

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昔から好きな物が変わらず、当然好きなメーカーもかたよってきます。

ダナー、レッドウィング、ティンバーランド、キーン……。

こうして天気の良い日に気に入っている靴を陰干しながら紐を外し、一足一足磨いている時間が至福のひと時なんです。

今回は僕が好きな靴の中からDanner(ダナー)とそのメンテナンス方法についてお話させていただきます。

Danner(ダナー)ってどんなブランドなの?

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1932年、チャールズダナーによって安いワークブーツが一足4ドルで販売され始めました。これがダナーの始まりです。

元々は作業靴メーカーだったダナーは、20年後、登山用のソールとして開発されたイタリアのビブラムソールをアメリカではじめて採用。さらに27年後、世界で始めて防水透湿素材のゴアテックスを採用した靴を開発し、完全防水ブーツとして有名になりました。

その人気を確固たるものにしたのは、60年前にハイキングブーツとして作られた「マウンテントレイル」。これがバックパッカーに支持され、一気にアウトドアシーンのトップブランドになったのです。

創業以来、「実際にダナーの靴を履く人が、不便を感じずに、使いやすく、耐久性に富んだ靴を作る」がコンセプトだそうで、ダナーの靴にはこの哲学が脈々と流れているような気がします。

ダナーの魅力は職人が今でも一足一足丁寧に手縫いして作っていること

ダナーの魅力は、ビブラムソールやゴアテックスといった高機能素材を使ったハイテクシューズでありながら、質の高いグレインレザーを使用し、職人が今でも手縫いしていることだと僕は考えています。

レザーブーツなのに蒸れず、天候に左右されず履き心地がよく、しっかりとしていて長持ちする、そして何より格好が良い。

こんなレーザーブーツを履いてしまったら、他のブーツは履く気がしなくなります。

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この写真は、私が所有しているダナーです。

左から、エクスプローラー(EXPLORER)、マウンテンライト(Mountain Light)、ラギット3アイ(RUGGED 3EYE)と並んでいます。

どの靴も10年以上履いていますが、悪くなっているところはまったくなく、しっかりフィットして長時間歩いていても足が痛くなることはありません。

しかも、エクスプローラーやマウンテンライトは、雨のキャンプでくるぶしまで水に浸かっても水が入ってきませんし、ドロドロになってもちょっとしたメンテナンスをすればすぐに綺麗になるんです。

アウトドアには最高の相棒です

取り扱いの注意とリペア

ダナーは非常に品質の高い高機能ブーツですが、**レザー製品なのでしっかりと扱い方を知り、適宜メンテナンスをしないと悪くなってしまいます。

取り扱いの注意点とリペアについてご紹介します。

雨や湿気はレザーブーツの大敵!

ダナーに限らずすべてのレザーブーツに言えることですが、雨や湿気には注意が必要です

写真は、ダナーに出会う前に履いていたレッドウィングのアイリッシュセッター。

まだレザーブーツの履き方やメンテナンスを知らなかった20年程前、梅雨空の下数日履いてそのままシューズラックにしまってしまい、1ヵ月後、出してみたらこんな姿に……。

白カビは表面につくカビなので、この後アルコールで拭いて日陰に数日干して事なきを得ましたが、これ以来レザーシューズは1日履いたら風通しの良い日陰で数日休ませてからシューズラックに収納するを徹底するようになりました。

ダナーはリペアサービスが利用できる!

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どんなに履き慣れたシューズでも、ソールが減ってしまうと使えなくなってしまいます。

ダナーのソールには登山用のソールメーカーの「ビブラム」が採用されており、非常に丈夫で滑り難く良いソールなのですが、実はこのソール、張り替えられるのもまた魅力なんです。

上の写真を見ると、靴底が三重になっているのがわかると思います。

一番外側は滑り止めの薄いゴム、真ん中は衝撃を吸収するスポンジミッドソール、内側は硬い薄いゴム。

なんと、各層毎に取り替えることができるのです。

ダナーのオフィシャルサイトを覗いてみると、リペアー(修理)サービスのページがあります。

純正で付いていたソール以外のソールに交換してもらったり、ヒールのみ、ミッドソールまで、オールソール交換など、様々な修理に対応してもらえるのです。

例えばソール交換だと、工期が1〜2ヶ月程度、15,400円(税込み)〜修理することができます

ダナーのリペアーはソールだけでなく、一番痛むくるぶしの周りのトップバンドの交換や、ビジネスシューズなどのライニング補修、フックやアイレットの交換、ステッチの補修など、あらゆる修理がメーカーで受けられるのです。

痛んだり壊れたりしても、メーカーによる完璧なリペアを受けられ、年十年も履き続けることができる。それがダナーなのです

大切なダナーを長持ちさせるためのメンテナンス法を伝授!

基本のメンテナンスはとってもシンプル。

履いて陰干ししてシューズラックに収納。これだけです。

ただし、汚れていなければそれで良いのですが、何回かに一度はしっかりメンテナンスしてやると、靴が喜びます。

そこで、ダナー愛用者である僕の日頃のメンテナンス方法をご紹介したいと思います。

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① クリーナーで汚れを取る

まず、汚れが本当に酷いときは、ストロングクリーナーをスポンジにふくませ泡立てて、靴の汚れている部分を優しく擦ります。

この時、靴によっては変色する可能性がありますので、見えにくい場所に小さく付けて乾かし、変色を確認してから行ってください。

② ブラッシングしてゴミを掻き出す

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次に、シューズブラシで縫い目からゴミを掻き出すようにブラッシングします。

この時のブラシは、コシがあって革を傷つけない馬毛のブラシがおすすめです。

③ 靴墨やクリームを塗り込む

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最後に、靴の色に合わせた靴墨やクリームを塗りこんでやります。

ブーツは擦れたり傷ついたりすると色がはげてしまったようになり、また古くなってくると色が褪せてきますので、靴の色に合わせた靴墨を塗りこんでやることで色が戻ってきますよ。

④ 必要があればミンクオイルで適度に油分を補給

革は生き物ですので、肌と一緒で、油分を補給しないとパサパサになってしまいます。また、雨の日に履いたブーツは乾くとカチカチに硬くなってしまうことも。

パサパサ、カチカチになってしまった時におすすめなのが、ミンクオイルです。

ミンクオイルは動物のミンクの皮下脂肪のことで、このミンクオイルの特徴は、他の油に比べ張力が非常に弱いことです。

ということはつまり、皮の奥まで簡単に浸透し油分を補給できると言うことなのですが、使いすぎると浸透しすぎて革がクタクタになってしまうので注意が必要です。

特にトゥ(つま先)の部分はしっかりと硬く作られていて足を守る役割があるので、あまり付け過ぎてフニャフニャにしないよう注意しましょう。

飽きずに楽しむ方法! レザーブーツの密かな楽しみはシューレースの交換

「実際にダナーの靴を履く人が、不便を感じずに、使いやすく耐久性に富んだ靴を作る」

ダナーの哲学が、ブーツの作りや、細部まで行き届いたメンテナンスプログラムに現れていると思いませんか?

僕自身、そんなお気に入りの一足を何十年も履き続けたいと思っているのですが、長く使うからこそ、時にはちょっと気分を変えたくなることがありまして……

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そんな時、シューレースを変えてみると、見た目と気分が変わるのでおすすめです。

ハイカットやローカットなど、長さをあわせるのは鉄則なのですが、色や編みこみ方、太さなど、様々なシューレースが出ているので、僕は靴のお手入れをする時に気分によって変えています。

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真っ黒なマウンテンライトには真っ黒なシューレースがデフォルトですが、このように、縄の様な柔らかな織り方のブラウンの靴紐や、黄色と茶のタイトな靴紐にチェンジ。

これだけで雰囲気が変わります。

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こちらは、黒とブラウンのしっかりしたシューレースと、カーキ色のロープ編みのようなシューレースを合わせます。

最近ではシューズショップに行くとたくさんのシューレースが販売されていますので、お気に入りのブーツに合わせてカラーコーディネートすると、気分が変わってよいものです。

ダナーは正しいメンテナンスとリペアで長くお付き合いできる一足

今回は、僕のお気に入りのダナーと、メンテナンス方法についてお話しました。

ダナーは、トレッキングや山登り、長期の旅のお供など、ここぞと言う時に過酷に使われているのにも関らず、10年以上僕の足元を支え続けてくれています。

これからもメンテナンスしながら使い続ければ、生涯一緒に歩んでくれるでしょう。

本当に良いものを長く使い続けたい。そう思わせてくれるのが、ダナーの魅力なのです。

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