新王者ロバンペラ「思いきりプッシュし、最後に良い結果を」/2022WRC第13戦日本 事前コメント

 北海道時代の2010年を最後に途絶えていたラリージャパンの歴史が、いまふたたび動き出す。11月10日(木)から13日(日)にかけて、2022年WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』が愛知県と岐阜県で開催される。実に12年ぶりとなるWRC日本ラウンドは、愛知県豊田市の豊田スタジアムを拠点に全19本のSSで争われる。新しい地域での新しいターマック(舗装路)ラリーであるため、誰にとっても未知の戦いとなる。そんな今季最終戦ラリージャパンを前に、最高峰ラリー1クラスを戦うトヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードの各陣営からドライバーのプレビューコメントが届いている。

■Mスポーツ・フォードWRT

●クレイグ・ブリーン(#42 フォード・プーマ・ラリー1)

「今年最後のラリーであり、誰にとっても新しいラリーだ。これまでに見たところでは、ステージはチャレンジングに見える。すごく曲がりくねっていて難易度が高い。これまでに目にしたターマックのなかでも、最も難しいラリーのひとつになりそうだ」

「それでも素晴らしい挑戦になるはずだよ。スペインの週末は時間が経つにつれてどんどん良くなり、マシンも大きな進歩と変化を遂げたと感じた。ここ日本では良いスタートを切って、シーズンの最後に好結果を持ち帰られるよう願っている」

●ガス・グリーンスミス(#44 フォード・プーマ・ラリー1)

「以前から日本という国に訪問することを夢見ていた。ここでラリーに出ることと、その後でこの国を楽しむことができるのは、二重のボーナスだ」

「今週末に向けて強力なパッケージになると感じている。素晴らしい週末になるよ。シーズンを最高の状態で締めくくりたいね」

Mスポーツ・フォードWRTのフォード・プーマ・ラリー1(クレイグ・ブリーン)

■ヒョンデ・シェル・モビスWRT

●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)

「新しい国、新しいラリー、新しい冒険だ。ターマック(舗装路)ステージだということを知っている以外に、何が僕たちを待ち受けているのか見当もつかないよ。そのため、準備が少し難しくなるのは明らかだけれど、ほとんどの場合、僕は以前経験したところよりも初めてのラリーの方でいい結果を出してきたんだ」

「シーズンの最後はいつも可能な限り最高の順位で終えたいものだ。気分良く冬休みに入ることができるし、来年に向けて士気が高まるからね。だから目標は自分たちとマシンから最大限の力を引き出して、どの順位につけらるかを見極めることだ」

●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)

「ラリー・ジャパンは新しいイベントだから、僕たちにとってチャレンジングなラリーだ。何が期待できるのか、個人的にはそれほど多くの情報を持ち合わせていない。でもレッキで手に入った情報をすべて集めて、できる限りの準備をするよ」

「3年間ヒュンダイ・モータースポーツでラリーをしたけれど、これが彼らとの最後のラリーになる。ステージからよいフィーリングを得て、シーズンと僕たちのパートナーシップを好結果で終えたいと思う」

●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)

「日本でラリーをしたことがあるけれど、当時はグラベル(未舗装路)イベントだった。だけど、新しいターマックのステージも楽しみだ。とても道幅が狭くて難しいと聞いている。何を期待できるのかわからない時はいつだって、よりチャレンジングになるものだ。ステージの準備のためにできることは、ビデオを見ることだけだからね」

「イベントが始まれば、週末に好結果を出すのにレッキとペースノートが重要になる。いつものように僕たちの目標は最低でも表彰台に上がり、チームのために最高の結果を出すことだよ」

ヒョンデ・シェル・モビスWRTのヒョンデi20 Nラリー1(オット・タナク)

■TOYOTA GAZOO Racing WRT

●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「ついにラリージャパンに参戦できることを、チーム全員が楽しみにしていると思う。もちろん、目標はTOYOTA GAZOO Racingのホームグラウンドで良い結果を出すことだ。前戦のスペインは個人的にはベストなラリーにならなかったが、ラリージャパンで改善点を見つけ、良いかたちで来年に備えることができればと思っている」

「2019年にラリー開催地周辺のステージをいくつかレッキ(下見走行)したけれど、僕の記憶では非常にツイスティかつ狭いセクションと、高速で流れるようなコーナーが続くセクションがあり、かなり難しそうだった。だから、ラリー中はステージのキャラクター変化にうまく対応しなくてはならないだろう」

●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「ラリージャパンにようやく出場できることになって、とてもうれしい。とくに、今シーズンはチームとともに良い成績を収め、すでにチャンピオンも獲得しているので、チームはよりリラックスしてホームラリーを楽しむことができる。だから、思いきりプッシュして、最後に良い結果を残したいと思っている」

「3年前にステージを何本か下見した。今回はかなりトリッキーなラリーになりそうだ。道幅が広くてスムーズな路面の道もあれば、非常に狭い森の中のセクションもあり、そこでは路面がかなりダーティになる可能性がある。慣れない道を走りペースノートを新たに書き起こすなど、ラリー前のレッキはとても大変そうだ」

●セバスチャン・オジエ(#1 トヨタGRヤリス・ラリー1)

「ラリージャパンに向けてとてもエキサイティングな気分だ。TOYOTA GAZOO Racingのドライバーにとってはハイライトともいえるラリーなので、この2年間は中止となってしまい、とても残念に思っていた」

「僕は日本という国自体が好きですし、いい思い出もある。ラリージャパンは過去(2010年)に一度だけ参戦したことがあり、その時は優勝しているので勝率100パーセントの記録を維持しなければならない、というプレッシャーも感じている」

「今回のラリーは過去の大会とはまったく異なり、かなり厳しいものになるだろうと思う。完全に新しいラリーでは誰もがゼロからのスタートとなり、できるだけ早く適応しなければならない。僕自身は新しいラリーに挑むことが好きだ。きっと特別な体験になるだろうし、今からとても楽しみだよ」

TOYOTA GAZOO Racing WRTのトヨタGRヤリス・ラリー1(エルフィン・エバンス)

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