水産振興予算確保求める 山本議員、食料安保で農相に 参院農水委

 8日の参院農林水産委員会で、自民党の山本啓介議員(長崎選挙区)は食料安全保障の観点から、水産業の位置付けや東シナ海での中国漁船の対策などを野村哲郎農相らにただした。
 山本議員は、食料安保を巡り「水産に関する議論があまりに少ない。海の恩恵をもっと活用すべき。国境の島では、水産業が他国の干渉を防ぐ監視機能も有している。食料安保の中で明確に水産業を位置付けてほしい」などとして、水産振興の予算確保を求めた。
 野村氏は「水産業は良質なタンパクの供給源。食料安保の観点から力を入れていかなければならない」と述べるとともに、国境の監視機能などを評価し、水産予算の確保に前向きな姿勢を示した。
 山本議員は「東シナ海で多数の中国漁船が秩序なく操業し、巻き網漁船が操業困難にある」と指摘。神谷崇水産庁長官は、巻き網漁船の円滑な操業確保を中国側に申し入れるほか、資源管理について「関係国などを通じて特に中国を中心とする外国漁船の漁獲データ入手に努める」と答えた。
 ほかに山本議員は「沿岸漁業者のライフステージに応じた支援」なども求めた。


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