ドラレコとAIで道路点検 日本初の管理システム研究へ 長大と国交省長崎事務所

研究用のドライブレコーダーを取り付けた道路パトロール車のデモンストレーション=長崎大文教キャンパス

 長崎大大学院工学研究科と国土交通省長崎河川国道事務所が8日、道路メンテナンスに関する覚書を締結した。ドライブレコーダーと人工知能(AI)による画像解析などを組み合わせた、日本初の道路維持管理システムの研究に取り組む。
 同事務所によると、現在の道路維持管理は、日常の目視パトロールと5年に1回の機械点検によって実施しているが、予算や技術者が不足しているという。両者が協力し、より効率的なメンテナンス手法の確立を目指す。
 研究では、道路パトロール車にドライブレコーダー2台と衛星利用測位システム(GPS)などを取り付け、道路状態を撮影。画像分類AIや物体検出AIを用いて、ひび割れ率の算定や区画線の維持管理などを目指す。さらに、大型車交通量データと重ね合わせ、交通量や速度と舗装劣化との因果関係を導き出す。
 研究は2カ年の予定。同工学研究科は本年度、国交省の研究費4950万円を獲得した。
 8日に長崎市文教町の同大文教キャンパスであった覚書の締結式では、松田浩同科長が「この研究成果が社会実装されれば、短い間隔で道路状態の点検ができるようになる」、金井仁志同事務所長が「通常の巡回の中で道路メンテナンスができるようになれば」と述べた。研究用のドライブレコーダーを取り付けた道路パトロール車を走らせるデモンストレーションもあった。

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