【写真特集】阿嘉島に渡り鳥が続々! サシバにアカハラダカ、初確認の珍鳥ジュウイチも 沖縄・座間味村

 【阿嘉島=座間味】9月から始まった渡り鳥の季節も、秋が深まり大詰めを迎えている。

 今年はアカハラダカの渡りの時期が台風と重なり例年より遅い来島となった。大型の猛禽(もうきん)類であるハチクマもアカハラダカに先駆けて確認することができた。また、寒露を過ぎるとサシバの渡りが例年のように見られるが、今年は日中に大挙して飛来する大きな群れをほとんど見ることができなかった。かろうじて日の出とともに足早に飛び去る群れを確認するにとどまった。渡りのピークの時期に強い新北風(みーにし)が連日のように吹き荒れたことが要因の一つと考えられる。

 ツミやチゴハヤブサなどの小型猛禽類、スズメ目の小鳥ではツバメをはじめ、サンショウクイやコムクドリの群れ、ツメナガセキレイやキセキレイなどのセキレイ類といった例年と同じ顔ぶれの鳥たちが続々と渡っている。

 珍しい鳥としてはカッコウ科のジュウイチが観察された。同じ科のホトトギスは夏鳥として毎年のようにさえずりが聞こえるが、ジュウイチは阿嘉島では初めての確認と思われる。同じくまれな鳥としてヒタキ科のサメビタキ、コサメビタキも見られた。

 沖縄県内の鳥類に詳しい県鳥獣保護区管理員の嵩原建二さん(67)によると「その3種は数少ない旅鳥として、県内各地で観察例がある。今回の阿嘉島での記録は、慶良間諸島も他の島同様に通過していることが確認できた例ではないかと思う」とコメントした。

 観察されたのは強い新北風が吹いた10月12日。連日の強風が珍しい鳥を運んできたのかもしれない。

(村石健一通信員)
 

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