投打二刀流の松田「楽しかった」 ソフト男子、W杯前に引退会見

引退会見で競技生活を笑顔で振り返る平林金属クの松田光=岡山市

 ソフトボール男子日本代表で2019年世界選手権銀メダリストの松田光(35)=平林金属ク=が9日、岡山市内で引退会見を行った。「投打二刀流」として活躍した社会人での13年間を「めちゃくちゃ楽しかった。ファンの応援や会社の支えがあってここまでやってこられた」と笑顔で振り返った。26日開幕のワールドカップ(W杯、ニュージーランド)を最後にユニホームを脱ぐ。

 チーム最年長の松田は「ここ数年は常にどこか体が痛い中でプレーしていた。ピークと比べると思ったような力が出せなくなった」。2年前から引退を考えていたことを明かし、「(平林金属クの)若い選手が育ち、彼らに託してもいいかなと思った」と最終決断に至った理由を語った。引退後については「育ててもらった競技に携わっていきたい」と話し、指導者の道を進む意向を示した。

 10年の加入以来、平林金属クをけん引し、日本リーグ、全日本総合選手権など計25の国内タイトルを獲得した。ヒラキンを強豪に押し上げた功労者は、一番思い出に残っている大会として「(新型コロナウイルス禍に見舞われた)この年唯一の全国大会で、満員のお客さんの前で優勝することができた」と20年秋に地元岡山で開催された日本リーグトーナメントを挙げた。

 男子最高峰のW杯が現役ラストゲームとなる。「日本をいい方向に導き、(初の)世界一を取る」と5大会連続出場となる大舞台に向けた決意を述べた。松田は10月上旬に今季限りでの引退を表明していた。

 まつだ・ひかる 千葉敬愛高、京産大を経て、2010年に平林金属クに加入。176センチ、80キロのがっしりとした体格から繰り出すドロップの最速は129キロ。打っては長打力と確実性を兼ね備える。11年に日本代表入りし、世界選手権(現W杯)は5大会連続出場。右投げ右打ち。千葉県出身。

投打の二刀流で長年活躍した松田

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