「もしもし?119番かかってます…」消防を悩ませる“通報”が急増中 理由はスマートフォン?

11月9日は119番の日です。スマートフォンの普及によって今、困った通報が増える傾向にあるといいます。「消防を悩ませる119番通報」の原因は、誰もが経験したことのあるスマホの誤操作でした。

<トータルテンボス 藤田憲右さん>

「心の火だけは消さないように頑張っていきたい」

<トータルテンボス 大村明宏さん>

「前もそう言ってたね(笑)」

11月5日、火災予防や落ち着いて119番通報することなどを呼びかけたのは、お笑い芸人の「トータルテンボス」の2人です。秋の全国火災予防運動の一環で、静岡県の駿東伊豆消防本部の一日消防署長と副署長に任命されました。

<トータルテンボス 藤田さん>

「はい、119番消防指令センターです。火災ですか?救急車の要請ですか?」

模擬の通報ですが、消防指令センターの実際のシステムで119番の対応をしました。

<トータルテンボス 藤田さん>

「パニックになる気持ちはすごくわかるんですが、そういうときこそ落ち着いて、場所と状況を正確に伝えることが大事だとわかりました」

駿東伊豆消防本部への119番は、年間約3万件。その中でも悩ましいのが…。

<再現シーン>

「もしもし、もしもし、119番かかってます。もしもし、聞こえますか」

かかってきたのに反応がない「無応答」の119番です。スマートフォンの普及で、カバンの中などで何らかの拍子に緊急通報機能が作動したり、小さなこどもや慣れない高齢者が誤って操作したりするなどのケースが増えているのです。2022年、その数はすでに200件を超えています。

応答しない通報を受けたら、どう対処するのでしょうか。

<駿東伊豆消防本部 通信指令課 伊藤幸永消防指令長>

「通報の応答がない場合は、折り返しの発信を行い、応答があるまで継続します」

しかし、マナーモードなどで折り返しに気づかなかったり、知らない番号からの着信だと出てもらえないこともあります。連絡が取れない場合は、携帯電話会社に依頼して持ち主を特定しつつ、GPSを頼りに出動。急病か、事故かも分からないため、救急車と消防車が両方出動して、安全を確かめます。

<駿東伊豆消防本部通信指令課 伊藤幸永消防指令長>

「無意識のうちにカバン、ポケットの中から、またお子さんが通報していることがあります。間違った通報で(消防から)呼びかけ、折り返しを受けた時には『間違いです』のひと言をいただけると助かります」

スマホの普及で増えた思わぬ119番通報。本当に必要としている人に消防がすぐに出動できるよう、誤発信には気をつけなければなりません。

<トータルテンボス 大村さん>

「正しい119番してくれないとしのびねえなぁ」

<トータルテンボス 藤田さん>

「構わんよ。パワー!」

<トータルテンボス 大村さん>

「きんに君です。それは」

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