箱根山・大涌谷「火山灰噴出に注意を」、気象庁が見解 10月は地震活動低調

箱根山・大涌谷(資料写真)

 気象庁は9日、箱根山(神奈川県箱根町)の火山活動の状況について見解をまとめ、「大涌谷周辺の火口域で活発な噴気活動が続いており、火山灰などの突発的な噴出に注意が必要」と呼びかけた。5段階の噴火警戒レベルは最低の1(活火山であることに留意)が継続している。

 同日公表された10月の活動概況によると、火山性地震は少なく、地震活動は低調に推移。火山活動が原因とみられる地殻変動も観測されなかったという。

 11月に入ってから大涌谷で高濃度の硫化水素(H2S)が観測され、観光客を屋内に退避させるケースが相次いでいるが、大涌谷の火山ガスに詳しい東海大の大場武教授は「濃度上昇は一時的な現象で風向きの影響ではないか」との見方を示す。4日にガスの定点観測を行ったが、「10月の調査時から特に変化はなく、火山活動は静穏」と判断している。

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