細い路地もすいすい 杉並区でグリーンスローモビリティの実証実験

杉並区でこれからの社会を見据えた取り組みがスタートしました。今までバスが通れなかった細い路地も通れる新たな交通サービスの実証実験が進められています。

杉並区が区内の道路で実証実験を始めたのが、新たな交通サービス「グリーンスローモビリティ」の運行です。時速20キロ未満で公道を走ることができる電動車を活用した移動サービスの総称で、これまで全国100以上の地域で実証実験が行われています。杉並区で今回行われるグリーンスローモビリティの運行ルートは荻窪駅西口が出発地で、区内の観光名所・大田黒公園や荻窪地域区民センターなど5つの停留所を経由し、最後は荻窪すずらん通り商店街を通って駅に戻ります。このおよそ3キロのルートを30分かけてまわる運行を毎日午前9時40分から午後3時40分まで続けています。乗車の予約はいりません。

車体の幅がおよそ1.3メートルで小回りも利くため、住宅街の狭い道も難なく進むことができ、道が細くこれまで徒歩や自転車でしか行くことができなかった杉並区の人気観光スポット・大田黒公園にも電動車で楽にたどり着けるようになりました。利用者からは「ゆっくりで安全運転だから、快適でいい」(80代)、「高齢者が一部区間を乗ったり降りたりしていたので、気軽な足として使えると思った」(60代)、「子どもが3人いて、自分1人では自転車に乗せ切れないのでありがたい」(30代)などといった声が聞かれました。

杉並区は超高齢社会の今後を見据え、誰でも地域内を気軽に移動できる新たな手段として2年後の導入を目指しています。杉並区・交通施策担当の尾田謙二課長は「交通は安全が大前提なので、ゆっくりであればそれだけ事故の可能性、致死傷率も低くなる。ゆっくりな乗り物でみんなが急がなくてもいい社会ができれば」と話しています。

この実証実験は11月13日まで行われます。

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