福井にほれ込み駅前にホルモン焼き店オープン 神奈川の女性、厚木B級グルメ「シロコロ・ホルモン」提供

神奈川県厚木市のB級グルメ「シロコロ・ホルモン」が味わえる店を開いた山本さん=福井県福井市中央1丁目

 神奈川県で美容や飲食関連の会社を経営する女性が、福井県を何度も旅行するうちに県民の人柄にほれ込み、神奈川のB級グルメ「シロコロ・ホルモン」を提供する店を福井市に開いた。関係人口拡大に向けた同市のプロジェクトにも参加し、JR福井駅西口のにぎわいづくりの力になろうと決断。福井に拠点を移し店を切り盛りする女性は、「福井愛はだれにも負けない。福井の人に喜んでもらえる店にしていきたい」と張り切っている。

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 山本亜矢さん(47)は越前がにを楽しみに、神奈川から毎年福井に旅行していた。なじみの飲食店ができて友人も増える中で、「福井で店を開いてみては」と提案され、昨年9月から具体的に準備を進めていた。

 福井をもっと深く知りたいと、福井市のプロジェクト「福井のPin!」にも参加。県内の魅力的な人物を紹介するガイド本の制作チームの一員として、福井駅周辺のまちづくりに長年携わる男性を取材。北陸新幹線県内延伸を前に再開発が進む一方で、商店街に空き店舗が目立つ明暗を知った。「駅前を変えていこうという情熱に触れ、自分も力になりたいと思った」

 神奈川と福井の2拠点生活をスタートさせ、今年6月に店舗の運営会社を設立した。ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」で優勝歴もある神奈川県厚木市の豚ホルモン「シロコロ・ホルモン」を店の目玉に据えた。「福井はおいしいものが多い。自信をもってお薦めできる神奈川土産をなかなか見つけられなかったけど、新鮮な豚ホルモンは大絶賛してもらえた」

 9月末に豚ホルモン約20種類が楽しめる「炭と肉。」を福井駅前電車通り南側のビル2階に開店した。県産のコメや野菜、油揚げ、へしこなどを使ったメニューも豊富。山本さんが足を運び、ほれ込んだ生産者から仕入れる食材は、ビル1階に同時にオープンしたカフェで販売も行っている。

 山本さんは「福井の人は少し人見知りなところがあるけど、仲良くなるととても温かい。ホルモンだけでなく、福井のいいものもどんどん発信していく」と話している。

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