「推し武道」キャラ 書店の店長に 県内7店、原画やコラボ商品PR

「推し武道」をPRする特設コーナー=丸善岡山シンフォニービル店

 岡山を舞台にした人気漫画「推しが武道館いってくれたら死ぬ」の実写ドラマのテレビ放映に合わせ、登場するアイドルのキャラクターが岡山県内7書店の“店長”に期間限定で就任し、複製原画や地場企業とのコラボ商品をPRしている。インターネット上ではロケ地も紹介され、ファンの間で盛り上がりを見せている。

 「推し武道」は、岡山で活動する7人組の地下アイドルグループ「ChamJam(チャムジャム)」と、全ての時間とお金をささげて応援する熱狂的なファンらを描くコメディー。倉敷市出身の漫画家・平尾アウリさんが手がけ、累計発行部数は100万部を超える。ドラマは県内で撮影され、10月から放映スタート。キャンペーンは取次大手の日本出版販売(日販)が企画した。

 グループのメンバーが一人ずつ店長に割り当てられ、店内には単行本や複製原画が並んだ特設コーナーと全身が描かれたパネルを設置。主人公・えりぴよが応援する「市井舞菜」が店長になった丸善岡山シンフォニービル店(岡山市北区表町)では、「聖地巡礼」「舞菜推し」などのPOP(店頭販売促進広告)とともに、舞菜が登場する複製原画や舞菜がパッケージにデザインされたきびだんごを展示している。

 同店のコミック担当者は「関東や関西から来て全店を巡るファンも多く、作品の人気を実感する」と話す。

 店長の人気投票も30日まで行われており、店ごとの単行本の販売総数と、店の公式ツイッターのリツイート数をそれぞれ1票として集計。12月以降に結果を発表する予定で、実際にメンバーを応援する感覚が楽しめる。

 同店の他に、未来屋書店岡山店▽紀伊國屋書店クレド岡山店▽啓文社岡山本店▽TSUTAYAのBOOKSTORE岡山駅前、AZ岡南店、山陽店―が参加している。

 作品と連携して岡山を盛り上げようと、書店に展示するきびだんごは、和菓子製造販売の廣榮堂(岡山市中区藤原)が発売。作中に同社のきびだんごが登場する縁も協業を後押しした。菓子工房「佳豊庵(かほうあん)」(吉備中央町案田)も包装にキャラクターをあしらったビスケットを販売する。

 県観光連盟(岡山市北区表町)は、ホームページにドラマのロケ地を紹介する特集ページを開設。各話に登場するロケ地を放送後に順次更新している。担当者は「ロケ地を巡った後に観光やグルメを楽しんでもらい、岡山の新たな魅力を発見してほしい」と期待する。

メンバーを1人ずつデザインした廣榮堂のきびだんご
実写ドラマのロケ地を紹介する県観光連盟のホームページ

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