
島根県出雲市の出雲大社で10日、全国から集まり、農業や縁結びにまつわる話し合い「神議」を終えたやおよろずの神々を見送る神事「神等去出祭」が営まれた。旧暦10月10日に当たる今月3日の夜に近くの「稲佐の浜」に着き、境内の社殿に滞在していたとされる。
日が暮れゆく中、神職らは神々が宿り、白布で四方を囲んだサカキを拝殿へと導いた。祝詞を上げて「おたーちー、おたーちー」と声を上げ、さらに本殿の扉をたたいて旅立ちを促した。
家族で訪れた広島市の主婦原惇子さん(32)は「儀式の雰囲気が神聖な感じでぞくぞくした。娘や祖母の健康を祈った」と話した。