
岸田文雄首相は10日、官邸で開いた新しい資本主義実現会議で、2023年春闘に関し「物価上昇を特に重視すべき要素として掲げ、これに負けない対応を労使の皆さんには強くお願いする」と述べた。賃上げ率は言及しなかった。会議には経団連の十倉雅和会長や連合の芳野友子会長が参加した。十倉氏は物価上昇を重視して賃上げをすると首相に応じた。
会議はこの日、企業の従業員が成長分野に転職しやすくするための官民の指針づくりを始めた。転職を通じて賃上げを定着させることを狙う。従業員がデジタル技術などを学び直し、転職や副業を進めやすくする支援策を検討する。