歌い手が引退、故人の昭和アニソン名曲公演 有名アニソン歌手がカバー「マクロス」「コブラ」など

昭和カルチャーへの造詣が深いものまねタレントで、イベント事業も手掛ける剣持光(45)が来年2月25日、神奈川・相模女子大学グリーンホールでコンサート「TWENTY'S 20世紀のアニメソング」をプロデュースする。1960~80年代の懐かしくも、歌い手が活動していない名曲の数々を、自身の代表曲を持つ有名アニソン歌手がカバーする。たいらいさお、MIQ、新井正人、山野さと子が出演。特技の声帯模写を使い、自らもステージに立つ剣持に話を聞いた。

剣持は数年前、山野さと子がステージであるアニソンのカバーを披露した際、観客の盛り上がりに感激し「これほど喜んでくれる人がいるのなら、規模を拡大してやりたい」と決意。「現在のアニソンの隆盛を築いた80年代以前のものでは、今となってはライブで聴く機会が減ってしまった曲も多い。歌っていたシンガーが鬼籍に入ったり、芸能界を引退したりと、様々な事情によりライブで披露されることがないからです。そこで、当時のシンガーが不在のアニソンを取り上げ、アニソンシンガーとタレントによってカバーするというのが、本イベントです」と趣旨を説明した。

出演歌手は自身の持ち歌も披露するが、カバーに比重を置く予定。選曲にはそれぞれ意図があり、単なる歌唱にとどまらない奥行きを持たせた。

「復活のイデオン」「銀河旋風ブライガー」などで知られる、たいらいさおは1982年放送の「超時空要塞マクロス」の主題歌「マクロス」「ランナー」をカバーする予定。剣持は「アニメの制作当時、当初は藤原誠さんではなく、たいらさんが歌う予定だったそうです。もし変更されなかったら、と考えました」と語った。

「ダンバインとぶ」「エルガイム Time for L-GAIM」などで知られるMIQは、1982年「スペースコブラ」から「コブラ」「シークレット・デザイアー」をカバーする予定。剣持は「前野曜子さんは30年以上も前に亡くなられましたが、アニソンの女性歌手としてはハスキーな声質が珍しい存在でした。同じくハスキーなMIQさんに似合うと思いました」と狙いを語った。

「機動戦士ガンダムZZ」の「アニメじゃない 夢を忘れた古い地球人よ」「時代が泣いている」で有名な新井正人は、1980年「あしたのジョー2」から、おぼたけしが歌った「傷だらけの栄光」などをカバーする。剣持は「新井さんはロック、ポップスなど幅広くなんでも歌える方です」と意図を明かし、新井がコーラスグループのパル在籍時に、「傷だらけの栄光」を作詞・作曲した荒木一郎による「夜明けのマイウェイ」が大ヒットしたという接点も挙げた。

「ドラえもんのうた」「とんがり帽子のメモル」などで著名な山野さと子も登場。剣持は「カバーしていた曲をそのまま歌ってもらいます」と話した。1982年発売のアルバム「アニメ歌の花束」など、作品の放送当時にオムニバス版としてカバー曲を収録する機会が多かった山野だが、ステージで披露する機会は減少していたという。「ラムのラブソング」「恋の呪文はスキトキメキトキス」などが予定されている。

他にも出演歌手が子供時代に親しんだ「鉄人28号」「妖怪人間ベム」「マッハGoGoGo」などをメドレーで披露。「ゲゲゲの鬼太郎」「デビルマン」「ルパン三世」「エイトマン」などの楽曲も登場する予定だ。昼夜2回公演。引退状態が続く子門真人の名曲をカバーする剣持は「コロナ禍の中、このようなイベントを心待ちにしていた昭和世代の方々はいらっしゃると思います。お待たせしました。若い人も大歓迎ですので、ぜひご来場下さい」とアピールした。

出演する(左から)新井正人、山野さと子、たいらいさお、MIQ、剣持光

(よろず~ニュース編集部)

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