神奈川県葉山町一色の旧役場跡地が注目を集めている。役場が移転して40年近くたっても更地のままだが、隣接するバス停の立派な上屋が今春完成し、存在がクローズアップされる形に。町は2025年1月の町制施行100周年に向け、利活用策を検討する方針だ。
旧役場跡地は国道134号に面し、広さは1800平方メートル。老朽化と手狭になったため庁舎は1984年に現在の場所(同町堀内)へ移転した。かつての木造庁舎は91年に取り壊され、現在は更地の状態。駐車場や資材置き場として民間に貸し出している。
葉山御用邸からも約400メートルと近く、立地条件に恵まれている。町によると、これまでにさまざまな利活用案が浮上したが絞り切れず、具体的な利活用の計画はない。最近では、各公共施設の老朽化に伴う再編・統廃合の複合施設の候補地にも挙げられているという。
そんな中、今年3月に隣接するバス停「旧役場前」の上屋が完成した。総ヒノキ造りの銅ぶき屋根で、総事業費は約1600万円。背後には旧役場跡地と結ぶ階段までこしらえた立派な造作が、跡地の閑散ぶりを浮き上がらせている。