「ながさき農林業大賞」最高賞 島原の吉田さん夫妻 IT活用し大規模イチゴ栽培

「ゆめのか」「恋みのり」2品種を組み合わせたハウス栽培を展開する吉田修二さん(右)、泰子さん=島原市有明町

 地域の特性を生かした先進的な取り組みで成果を上げている農林業者を表彰する本年度「ながさき農林業大賞」で、島原市有明町のイチゴ栽培農家、吉田修二さん(60)、泰子さん(58)夫妻が最高賞に当たる農林水産大臣賞・知事賞を受賞した。
 吉田さん夫妻は、ハウス7棟計52アールで「ゆめのか」「恋みのり」2品種を栽培する大規模経営を展開。栽培面積は県平均の約2倍に相当する。
 情報技術(IT)を活用した作業効率化に着手したのは2021年。ハウス内に設置したセンサーで温度や湿度などを自動計測できる「環境モニタリング装置」を導入。離れた場所にいても、スマートフォンでハウス内の状況を確認できるため、農業者の負担軽減につながった。
 修二さんは17年から4年間、島原雲仙農業協同組合なんこういちご部会長を務めた。大玉で秀品率が高い「恋みのり」の導入を進め、部会員の経営改善に貢献。就任前、約29億円だった同部会の販売額は約37億円に増えた。昨年まで県いちご部会長としても尽力。県産イチゴの販売額100億円超を定着させた。
 修二さんは「受賞は夢にも思わなかった。10アール当たり10トンの収量を目標に、年間生産量4万パック(1パック250グラム)を実現したい」、泰子さんは「夫婦で頑張ってきたことが認められうれしい。皆さんの協力のおかげ」と話した。
 ながさき農林業大賞は県やJA県中央会などでつくる運営委が表彰し、17回目。吉田さん夫妻がエントリーした施設野菜など計13部門に35の個人・団体が応募。このうち11部門で知事賞が決まり、その中から最高賞1件を選んだ。
 表彰式は12日、長崎市内で開かれる。


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