”パスワード専用メモ帳”にネット賛否「情報漏洩」「悪くない」 企画社は「工夫して」伏字推奨

WebサービスのログインIDやパスワードを一覧で書きとめられる「ID・パスワードブック」がネット上で話題になっている。ツイッターでは情報漏洩を不安視する声と前向きな意見がぶつかり物議を醸した。

注目を集めたのは、「サイト名」「ID」「パスワード」「メモ」を並べて書く欄がある手のひらサイズの手帳。ログインに必要な情報を書き留めることを危険視したツイッター投稿が約1万回リツイートされた。ツイッターユーザーからは「あかん」「落としたらヤバい」「オシャレな情報漏洩」などの不安の声や、「悪くないと思う」「大切に保管する分には良い」「ヒントを書き留めておく分には有用」と活用方法を見いだすコメントが寄せられた。

製品を企画した手帳メーカー・ダイゴー株式会社によると、2020年9月に発売し、何度も追加生産が決まるほど「かなり人気の商品」だという。同製品発売以前から、”もしも”の危機が起きた時に家族へID・パスワードや保険の緊急連絡先を書き残すための製品を販売しており、好評を受けたことから個人用の「ID・パスワードブック」が生まれた。

同社の広報担当・鞍留佳代子さんは「必ずこの通り書かなくてはいけないというものではない」と、全てを正確に書きとめなくていいと説明する。「持ち運ぶのが危ない内容でしたら保管していただければいいと思いますし、出先でスマホを触ってログインできない場合を考えて持っておきたい方は伏字にしていただくとか工夫はしていただいた方がいいと思います」と伏字や暗号で書くことを勧めた。おすすめの暗号化の例は次の通り。

(1)文字(数字)列を記号に置き換える。例:A=自分の生年月日、B=子どもの生年月日、C=〇〇の名前など自分だけの置き換えルールを作り、文字列を組み合わせる。手帳には「AC」「CB」など対応する記号のみをメモする。
(2)パスワードに共通する文字(数字)を伏せてメモする。例:4桁の数字をパスワードの頭につけるなど自分だけのルールを作り、それを除いた部分のみをメモする。「1960aKvFfnM3」「1960kz2nFivd」は「aKvFfnM3」「kz2nFivd」に。

(よろず~ニュース・今井 佳奈)

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