「娘がいるだけに安心」「そういう世の中になった」公衆浴場の混浴制限 静岡県は「10歳以上」→「7歳以上」へ 子どもを性被害から守る一方で課題も

SBSなどJNN系列28局のニュースサイト「TBS NEWS DIG Powered by JNN」、11月11日時点の週間全国アクセスランキング11位に入ったのが、BSS山陰放送の「『11歳と混浴できて穴場』の衝撃 公衆浴場…子どもの混浴年齢は?」。銭湯や温泉など、公衆浴場でのこどもの混浴年齢を見直す動きが加速しているという内容ですが、実は静岡県でも年齢を引き下げる議論が進んでいます。

静岡県内ではこれまで条例で、日帰り温泉施設や銭湯などで10歳以上の混浴はダメと、規制していました。それを今回、7歳以上にするというのです。つまり、これまでは、異性のこどもとは9歳までは一緒に入ることができましたが、条例が改正されると6歳までとなります。

<娘を育てる母>

「そういう世の中になったんだなって感じはしますね」

<6歳の娘を育てる父>

「今、大人が子供に対して、性的な問題というのが社会現象になっているので、自分的には女の子がいるので、むしろその方が、安心かなというのはあります」

全国で進む混浴年齢制限の引き下げ。子どもの発育が早まったことで、盗撮などの性被害にさらされる恐れがあることが背景にあるとされています。

2022年1月、ある小児科医のツイートが議論を呼びました。それが「『11歳の女の子と混浴できて穴場』という言葉に衝撃を受けた」というものです。

<小児科医・新生児医 今西洋介医師>

「お風呂とかそういう場所ってかなり小児性被害の現場になっているという指摘があって、加害者と話したときに『11歳まで入れる都道府県に行くと女の子と一緒に入れる』ということを言われたことがあって衝撃的だけど、全然世の中は知らないことだと思い(警鐘を鳴らす意味で)ツイートした」

条例改正を前に、すでに対策を進めている施設も静岡県内にはあります。静岡市清水区の温泉施設「清水西里温泉『やませみの湯』では、6歳以上の混浴を制限しています。

<やませみの湯 山本忠博支配人>

「すでにお客さん自体がこの時代の流れの中で色々と理解をしていると承知しております。(引き下げ)は特に問題はないかと思います」

一方で、街の人からはこんな声も。

<2人の息子を育てる母>

「男の子2人なのでそれほど心配はないが。私と行くときはやっぱり一緒に入れないので(気になる)」

<娘を育てる母>

「(困る方も)いると思う。ひとり親の方たちも多くいるので」

<今西洋介医師>

「ひとり親であったり、こどもと入浴せざるを得ない状況もあるので、家族風呂を増やすとか、社会のインフラの整備も必要かと思います」

厚生労働省が行ったアンケートの結果を見ると「『混浴を恥ずかしいと思い始めた年齢』はいつですか?」という質問に対して、幼稚園の年長にあたる6歳が最も多く、5歳とあわせると全体の4割以上を占めました。この数字を見ても、年齢の引き下げは自然な流れといえそうです。

静岡県では、11月28日までパブリックコメントを行い、条例改正案に反映させるとしています。また、静岡、浜松の両政令市も県に足並みを揃えたいとしています。年齢の引き下げの動きが進む一方、親の目が届かない場所でも子どもの安全が守られるよう、社会全体で態勢を整えることが重要です。

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