ローマ教皇へ対米仲介要請 松岡外相、太平洋戦争前に

ピウス12世(AP=共同)

 【ローマ共同】日本が太平洋戦争に踏み切った1941年の直前期に、当時の松岡洋右外相がローマ教皇ピウス12世と会い、対米開戦回避に向けた仲介を要請していたことが12日までに、教皇庁(バチカン)公文書から分かった。面会時の内容の詳細はこれまで知られておらず、専門家は「戦争回避を試みた松岡の必死の努力が分かる興味深い史料だ」と指摘している。

 日本は37年に日中戦争を開始し、中国を支援する米国との対立が深刻化。軍部を中心に強硬論が台頭する中、対米開戦を避けるため、バチカンを通した働きかけが、ぎりぎりまで模索されていた実態が浮かんだ。

松岡洋右
日独伊三国同盟締結を祝う(左から)東条英機陸相、星野直樹無任所相、インデルリ駐日伊大使、松岡洋右外相、オットー駐日独大使=1940年9月、外相官邸

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