<新型コロナ>今が見頃!紅葉に染まる長瀞 旅行客増も「波来るたびキャンセル増覚悟」 感染対策整え対応

岩畳周辺の紅葉を写真に収める観光客=11日午後4時ごろ、長瀞町長瀞

 国内旅行を促す全国旅行支援の開始と、新型コロナウイルス水際対策の大幅緩和から11日で1カ月を迎えた。宿泊・交通業界は業績が回復、観光目的で10月に新規入国した外国人は速報値で28万8909人と9月比で15倍超だった。ただコロナ感染者数が全国で増えており、政府は「第8波」を警戒。国内旅行の割引事業は来年も一定期間は継続する方向で検討しているが、感染状況を見ながら慎重に判断する。

■「客足戻りつつある」長瀞

 紅葉が色づきはじめた埼玉県長瀞町の観光スポット岩畳には、平日も多くの家族連れや若者グループが訪れ、深まる紅葉の景色を楽しんでいる。

 客室から岩畳を望める老舗旅館「長生館」(同町長瀞)は、全国旅行支援と水際対策緩和の効果もあり、12月初旬まで予約で埋まっている。小埜和也社長(46)は「訪日ビザ免除の影響で、香港やタイなどから訪れる個人の外国人客が増えている。国内も大阪、熊本、沖縄など、関東圏外から予約が入り、コロナ禍前の客足に戻りつつある」と説明する。

 県では、全国旅行支援の期限を12月20日宿泊分までと定めているが、小埜社長は「どこの宿泊業も、1月中旬から2月にかけて閑散期に入るので、できれば来年以降も旅行の割引事業を続けてほしい」と望む。

 新型コロナウイルス第8波到来が懸念される中、小埜社長は「感染症の波が来るたびにキャンセル客増加の覚悟は必要だが、感染対策を万全にし、お客さまを迎え入れる体制は常に整えていく」と話した。

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