大田原市内の農家で一時保管が続いている放射性物質を含む稲わらなどの農業系指定廃棄物の暫定集約について、相馬憲一(そうまけんいち)市長は11日の定例記者会見で、同市宇田川の県有施設「北那須浄化センター」を候補地とし、地元自治会と調整していることを明らかにした。
市内では農家9軒が8カ所で計70.7トンの農業系指定廃棄物を保管。同センターは放射性物質を含む下水汚泥681トンを施設内のテントで一時保管している。
市によると、市は「指定廃棄物が保管されている公有地」を優先的に検討し、同センターを暫定集約先として選定。5月に県へ要望し、10月中旬に回答が得られた。
地元3自治会を対象とした住民説明会は同31日に開催。22人の出席者からは、同センター設置時に県と自治会が締結した「公害防止に関する覚書」を無視して調整が進んでいる、などと手続きについて批判の声が上がったという。
市は今後、3自治会役員らで組織する同センター対策委員会と話し合い、理解が得られれば再度住民説明会を開く予定。相馬市長は「環境省や県と連携し、住民の理解を得られるように説明を尽くしたい」と述べた。