<高校サッカー>初Vか雪辱か…決勝カードは昌平―成徳大深谷 持ち味異なる両雄、あす最終決戦へ

タイミングのいい飛び出しとロングフィードで攻撃のスイッチを入れる成徳大深谷の木村

 サッカーの第101回全国高校選手権埼玉大会(埼玉新聞社など後援)最終日は13日、NACK5スタジアムで昌平―成徳大深谷の決勝(14時5分キックオフ)が行われ、勝者が全国高校選手権(12月28日~来年1月9日・国立競技場ほか)に出場する。昌平は2年ぶり5度目、成徳大深谷は初めての頂点を目指す。両校が選手権を懸けた決勝で顔を合わせるのは初。一枚の切符を争う熱戦の見どころを探った。

 今年、トップチームで顔を合わせるのは2度目。6月の県高校総体予選決勝では、昌平が前半に篠田と平のゴールでリードし、2―1で競り勝った。全国高校総体4強の実績を誇る超攻撃的な昌平に対し、成徳大深谷は空中戦を制して粘り強く守ることができるか。

■少ない好機をものに/成徳大深谷

 創部初の決勝に進出した成徳大深谷は、3回戦からの3試合全てで1点差を守り切って勝利。センターバックの増子、新井らDF陣の素早いプレッシャーに、GK木村のタイミングのいい飛び出しと、際どいコースのシュートでもストップする好セーブで、簡単にゴールをこじ開けさせない。

 攻撃では、セットプレーに注目。これまでの全5得点中、OGを除く4得点がセットプレーからのゴールだけに、決勝の舞台でも伝家の宝刀が抜かれるか。CK、FKのみならず、鈴木のロングスローから2試合連続で得点を挙げ勢いに乗る辻本に、空中戦に強い平井と秋本の2年生2トップで、ゴール前の混戦を制してゴールネットを揺らしたい。

 守る時間が長くなることが予想されるだけに、少ない好機をものにし、埼玉高校サッカーの歴史に名を刻みたい。

■タレント集団、王座奪還へ/昌平

 対する昌平は、ここまでの3試合で17得点2失点。1試合平均のシュート数が27本と、敵陣内でのボール保持率を高め、難しい体勢でもあらゆる角度からゴールに襲い掛かる。J1FC東京内定の荒井に、長(おさ)と篠田の2列目の3人で、計9ゴール8アシストを記録。足元の技術だけでなく、2、3人を背負ってもボールを失わない強靭(きょうじん)なフィジカルを持ち合わせる。

 ダブルボランチの一角を務める佐藤は、両サイドにボールを散らして攻撃の幅を持たせるだけでなく、セカンドボールを回収し、2次攻撃につなげる。J1鹿島内定の津久井は、相手の攻撃を察知してボールを奪い、決定機の演出を許さない。県内屈指のタレント集団が王座奪還へ勝利にこだわる。

広い視野と類いまれなパスセンスで、攻撃のタクトを振る昌平の佐藤

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