眼鏡職人学校に福井の小学6年生が“入学” 業界の若手社員に混じる女の子…磨き技に夢中

眼鏡フレーム職人学校で、眼鏡枠を加工する機械の説明を受ける宇野和奏さん(中央)ら=11月1日、福井県鯖江市御幸町1丁目のプラスジャック

 眼鏡産業の担い手を育成する2022年度の「鯖江・眼鏡フレーム職人学校」に、福井県福井市の女子児童が“入学”した。丹南地域の工房開放イベント「RENEW」で伝統産業への関心を深め、「職人の技を学びたい」と参加を決意。スキルアップを目指す地元企業の若手社員ら4人とともに約2カ月間、眼鏡枠の「磨き」の技を学ぶ。

 入学したのは、福井大学附属義務教育学校6年の宇野和奏さん(11)。4年時の授業でものづくりに興味を抱き、RENEWを訪れて眼鏡や伝統工芸の職人と触れ合う中で、魅力を感じるようになったという。

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 10月に開かれた今年のRENEWでは、運営ボランティア「あかまる隊」の一員としても活動。スタッフらとの交流を通じて職人学校のことを知り、すぐに参加を決めた。

 職人学校は、マニュアル化が難しい眼鏡枠の磨き職人の高齢化を背景に、業者有志らが市のまちづくり基金事業を活用して昨年から始めた。週1回、約2カ月間の短期カリキュラムで、業界の若手社員らが職人の手ほどきを受けながら磨きの経験を積む。小学生の入校は初めて。

 今年は、11月1日夜に福井県鯖江市御幸町1丁目の眼鏡枠製造プラスジャック本社で開校。12月にかけて全5回の開催を予定している。初回は、眼鏡資材商社キッソオ(丸山町4丁目)の吉川精一社長が眼鏡枠の素材について説明した後、プラスジャックの津田功順社長が自社工場を案内。アセテートなど樹脂製フレームの切り出しから研磨まで約160の工程を一貫して手掛ける工場設備を紹介した。

 宇野さんは、地元眼鏡業者の若手社員ら4人とともに、目を輝かせながら、ものづくりの奥深さの一端に触れた。今後は磨きの実践に入る予定で、「(鯖江の眼鏡は)職人さんの手がかかって、大事に作られているのがすごいところ。これからの勉強が楽しみ」と声を弾ませていた。

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