国連本部に設置「平和の鐘」の姉妹鐘贈る 守る会が長崎市に

「平和の鐘」を寄贈する髙瀨代表ら=長崎市役所

 「国連平和の鐘を守る会」代表の髙瀨聖子さん(74)=東京都在住=は10日、米ニューヨークの国連本部に設置されている「平和の鐘」の姉妹鐘を長崎市に寄贈した。
 「平和の鐘」は1954年、元愛媛県宇和島市長の故中川千代治さん(72年に66歳で死去)が寄贈。各国の通貨などを溶かして造られ、永遠に平和であるよう願いを込め「世界絶対平和萬歳」と刻印されている。鐘楼の礎石の下には長崎の当時16歳の少女が届けた土と広島の土が埋められている。平和の鐘は年2回、国連本部で鳴らされている。
 同会は2015年、中川さんの六女の髙瀨さんが設立。父の後を継ぎ国内外に鐘のレプリカを届けており、中川さんの代から合計500個以上を寄贈。3月にはロシアとウクライナの大使館にも贈ったという。
 長崎市に寄贈されたのは高さ26.5センチ、重さ4キロの姉妹鐘。田上富久市長に手渡した髙瀨さんは、平和の鐘の下に被爆地の土が埋められていることから「父に『原爆はあってはいけない』という強い思いがあると知り、長崎には訪問したかった。この鐘を平和の象徴と考え、ぜひ多くの人に見てもらいたい」と話した。


© 株式会社長崎新聞社