近年、家庭用スパイスの需要が増加傾向にある。新型コロナウイルス禍で、自宅で調理したものを食べる「内食」が浸透。本格的な料理をするために購入したり、万能調味料としてアウトドアで使ったりする人も多いようだ。ただ、使用頻度がさほど高くないだけに、メーカー側も情報発信を行うなど消費喚起に努めている。
黄色、緑、赤、茶色…。「イオンスタイル天王町」(横浜市保土ケ谷区)には、色鮮やかなスパイスがずらりと並ぶ。定番商品から専門店で取り扱うような本格的なものまで、約360種類に上る。
「2021年度の売上高はコロナ禍前の19年度と比べ約1.25倍となった」と話すのは、同店を運営するイオンリテール南関東カンパニー(同市神奈川区)の担当者。家庭用スパイスの需要は拡大基調で、「産地や素材にこだわる人も多く、各店舗とも徐々に種類を増やしている」という。
「SPICE&HERB(スパイスアンドハーブ)」ブランドを展開するエスビー食品(東京都)によると、20年度の洋風スパイス市場は前年度比20%増。販売額は、過去最高の170億円超を記録した。