G7通じ「訪日客、回復を」 林外相が長崎訪問 若者らとも意見交換

経済関係者らとの意見交換であいさつをする林外相(中央)=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

 林芳正外相は12日、長崎市内で経済関係者らと懇談し、来年5月に同市内で開く先進7カ国(G7)保健相会合を通じて「インバウンド(訪日客)需要の回復を促し、新型コロナ拡大の影響を受けた地域の活性化につなげることができれば」と述べ、開催の波及効果に期待を寄せた。
 林外相の来崎は、地方の魅力を海外に発信する外務省の「地方を世界へ」プロジェクトの一環。オランダやシンガポールなど10カ国の駐日外交官と共に訪れた。コロナ禍で同プロジェクトの実施は5年ぶりで、長崎は国際交流の歴史や被爆地としての重要性などを踏まえ訪問地となった。
 林外相は、国際交流や核兵器廃絶に取り組む若者らとも意見交換。世界文化遺産「旧グラバー住宅」、かまぼこ工場なども視察した。
 終了後、報道陣の取材に応じた。核軍縮については、ウクライナ侵攻を続けるロシアが核の威嚇を繰り返す中、いずれも広島で開く国際賢人会議(12月)やG7首脳会議(来年5月)を念頭に「国際社会の連帯を高め、現実的かつ実践的な取り組みを強く進める」と強調。被爆の実相を正確に知らせることが「核軍縮の取り組みの原点」として、世界の指導者に被爆地長崎、広島訪問を働きかけていく考えをあらためて示した。


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