愛と結婚、家族、自由、そして「生きること」の意味を問う不朽の名作! 宮沢りえ主演舞台『アンナ・カレーニナ』公演ビジュアル解禁!

宮沢りえ主演の舞台『アンナ・カレーニナ』のビジュアルが完成した。 ロシアを代表する文豪レフ・ニコラエヴィチ・トルストイが1800年代後半に書き上げた長編小説『アンナ・カレーニナ』は、世界中から称賛され、「芸術上の完璧であって、現代、ヨーロッパの文学中、なに一つこれに比肩することのできないような作品」と言わしめたロシア文学の金字塔。 タイトルロールとなるアンナ・カレーニナを演じるのは、宮沢りえ。さらに、コンスタンチン・リョーヴィンを浅香航大、アレクセイ・ヴロンスキーを渡邊圭祐、カテリーナ・シチェルバツカヤ(キティ)を土居志央梨、ダリヤ・オブロンスカヤ(ドリー)を大空ゆうひ、シチェルバツカ侯爵夫人を梅沢昌代、ステパン・オブロンスキーを梶原善、アレクセイ・カレーニンを小日向文世と、若手からベテランまで豪華キャストが結集した。 アンナ、ヴロンスキー、カレーニンの三角関係を中心に描かれることが多い本作。今回のフィリップ版では、破滅に向かうアンナの「愛」と、未来への希望を感じさせるリョーヴィンとキティの「純愛」とを対照的に描く。 このたび発表されたビジュアルは、アンナと三人の男性(上からリョーヴィン、ヴロンスキー、カレーニン)がまるでダンスをしているかのように行きかったりすれ違ったりしながら、互いの関係性を暗示している。それぞれの目線の先にあるのは希望か、絶望か……。 そして、この名作を、新解釈で戯曲化し、演出するフィリップ・ブリーンからもコメントが届いた。 激動する19世紀後半のロシア貴族社会の人間模様を描いたトルストイの長編大作が、フィリップの手によってどのように現代に蘇るか期待したい。

演出:フィリップ・ブリーン コメント

2019年の『罪と罰』以来私は日本に帰ることができます。パンデミック前の多くのプロジェクトがそうであるように、『アンナ・カレーニナ』も2019年の半ばに台本の作業が始まり、ようやく公演が実現します。ヨーロッパも日本も多くのことが変わりましたが、トルストイが探求している、何が私たちを人間たらしめているか──生誕、死、結婚、戦争、出産、憧れ、愛、欲望──は世界が変わっても永遠に変わりません。この偉大で壮大な小説は奥深い感情に満ちていて、世界文学史において比類なきものであり、私たち人類に共通する人間らしさを思い出させくれます。それはこの不確かで困難な時代にこそ大切にされるべきものです。未だかつてないほどにこの「ワールドシアター」と言うアイディアがとても重要に思えます。今回は素晴らしい宮沢りえさんとコラボレーションできることを特に楽しみにしています。彼女が演じるのはこの作品のタイトルロールであり、彼女のことを思いながら上演台本を書き、そして3年以上も演じるのを待って下さった役です。演出家として、稽古場で彼女とのワークを始めるのが待ち遠しくてたまりません。更に翻訳の木内宏昌さんはその匠の技を持って3つの文化と言語を紡いで、トルストイの偉大な小説をもとに私が書いた戯曲をしっかり正確に表現する日本語の台本を生み出してくれます。日本の観客の皆様には、悲劇的で、優しくて、時にすごく滑稽で、でも究極的には深くて鮮やかで、散らかった人間の姿をご覧いただけることと思います。国際的な文化を超えたコラボレーションがこんなにも必要で大切だと感じたことはありません。稽古が始まるのが待ち遠しいです。

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