野党、辞任ドミノへ攻勢「次は総務相」 防戦一方の与党から早くも会期延長論浮上

 国会は14日、参院で行政監視委員会を開いた。所管大臣は事務所費などの“脱税疑惑”で追及を受けている寺田稔総務相。山際大志郎前経済再生担当相(衆院神奈川18区)、葉梨康弘前法相に続く「辞任ドミノ」を狙う野党は激しく攻勢をかけた。秋葉賢也復興相も同様の疑惑でターゲットとされており、防戦一方の政府与党からは「全ての政府提案法案の成立のためには審議の時間が必要」(官邸関係者)として早くも会期延長論が浮上するなど、追い込まれ感が漂っている。

 「脱税とかは一切ありません」。寺田総務相は「所得税の支払い逃れのために自身の政治団体を使った」との立憲民主党の田島麻衣子氏の追及に答弁した。突然「脱税」との言葉を使った総務相へ田島氏は「税務署長も経験されていますね」と経歴にふれ「脱税との認識や事実があるなら当然辞任だ」と畳みかけた。

 寺田氏は「脱税ではない」「脱税の意図はない」と繰り返し、「私が直接責任を負う後援会ではない」とも反論。田島氏は「小渕優子氏は後援会の問題の責任をとって経産大臣を辞している。同じ自民党として見習うべきだ」と応酬した。

 共産党の紙智子氏は「寺田氏後援会の政治資金収支報告書を巡り、筆跡が酷似した『寺田稔』宛ての領収書に偽造の疑いがある」などと指摘。「自分は関わっていない」と釈明した寺田氏に対し「政治資金を所管する大臣の資格はない。辞任すべきだ」と迫った。

 「国会を開いている限り野党からの追及が続く」(自民幹部)との嘆き節が聞かれるように、政府与党としては12月10日の当初予定会期で閉じたいのが本音。霞が関からも「年内に新年度予算案編成のめどをつけるには一定の職務専念期間がほしい」(省庁幹部)として、やはり「会期延長は避けてほしい」(同)との声が聞かれる。

© 株式会社神奈川新聞社